JR西日本の長谷川一明社長は31日、東京都内で記者会見を開き、時間帯や季節に応じて料金を変える変動運賃制について「現行の運賃の決め方では実施できない」との考えを示した。その上で、「新しい社会的課題に対応するための施策として、国土交通省に問題提起をしている」と述べ、今後の国交省での検討に期待を示した。 変動運賃によりピーク時間帯の料金を上げ、利用の少ない昼間の時間帯などを下げることで、利用の平準化と全体の収入維持を図る。ただ、事業コストに適切な利潤を上乗せして運賃上限が決まる現行の総括原価方式では、ピーク時に合わせて運賃を引き上げることは難しい。 長谷川社長は「運賃規制の根本に関わる。非常にハードルは高い」としつつ、早期実現に向け「できるだけ早く当局でご検討いただけることを願っている」と強調した。 【了】