毎時同時刻に列車が発車する「パターンダイヤ」は,欧州等では多くの路線で取り入れられ,それに伴って利用者数も増加していると報告されている.一方,わが国においてはパターンダイヤの実施状況に関して分析した例は少なく,パターンダイヤと利用者数の変化との関係について分析した例もみられない.そこで本研究では,パターンダイヤの設定状況を表す「パターン率」を定義し,全国の地方鉄道路線におけるパターンダイヤの実施状況とその変化を2時点において明らかにした.また,各路線のパターン率と輸送密度の増加比率のデータを用いてその関連性を分析した.それらの結果,パターン率は事業者分類によって大きく異なることや,パターンダイヤを継続的に採用してきた路線は,採用していない路線より輸送密度の増加率が高いことなどを明らかにした.
153 マンガ単行本,即ち, 「コミックス」は,現在国内において発行されるマンガ 出版物の中で,雑誌媒体と並ぶ代表的なマンガの出版形態である。それは,1960 年代後半の登場以来マンガ誌と並行して成長し続け,2005 年以降は,推定販売 金額においてマンガ雑誌の総額を上回り,年々販売部数が低下し続けている雑誌 媒体の赤字を補う存在となっている (1) 。 その点からも明らかなように,現在の日本のマンガ出版において「コミックス」 と言う場合,一般的にそれは,マンガ誌と並行してある特定の作品の雑誌連載分 をまとめて再度読み返すための媒体,もしくは,特定の作品を愛蔵するための出 版形態を意味している。マンガ単行本という出版形態は欧米をはじめ世界各国で も見られるが,このようなマンガ誌とコミックスの併読が大衆規模で読者に享受 されているとともに,その基盤が大規模な産業として確立しているのは,日本を
日本関連の明治時代から大正時代に撮影された古写真が海外の“アーカイブ機関”にも所蔵されている。これがデジタル化されてオンライン上に公開されるようになってきた。所在とその内容、その理由、デジタル化の経緯とオンライン・ソースへのアクセス、ポータル・サイトへつながっているかなど知っておきたい情報が多くある。さらにそれらはどんどん更新されていくものである。幕末・明治・大正期に撮影された古写真が注目され、書籍で出版されることも増えてきている。両方の情報から日本に関係する古写真資料について、調査の入り口にあたる報告を試みる。在外機関で実見した古写真資料と調査の必要があってオンラインで探索した経験を通して、まだ悉皆的に調査できているわけではないし、何かの考察ができているわけでもないが、覚え書きとしてこれまで閲覧してきた海外機関所蔵の古写真について簡単にまとめてみる。また、Cultural Japanの登
本稿では,変化しつつある現代日本の図書館と,司書・図書館関係者の姿について現場報告を行う。本稿では特に, アナログからデジタルへとその重点を移行させつつある世界的動向の中,図書館界において注目されている2つのキーワード─「ネットワーク」と「創造性」─に着目し,日本のローカリティにおけるこれらの現れを描出することをねらいとした。はじめに,日本十進分類法擬人化普及委員会や「としょけっと」を例に,公的なネットワークとは異なる場で生起しつつある,新たな草の根的ネットワークの存在を示した。次に,未知なる状況を創り出す「ゲーム」という媒体に着目し,それを調査ツールとして用いた実践での司書・図書館関係者のゲームプレイ上の会話の記述から,そこに見られる創造性の姿を記述した。最後に,司書・図書館関係者が彼らの草の根的ネットワークの中で行う創作活動とゲームプレイ中に見られた創造性とがグラデュエーション状に位置
In newspaper articles and the publishing industry, there is an opinion that a decrease in the sale of books affects an increase in the lending of books in public libraries. However, there are few proof cases of the correlation and causality between these variables. We sought to empirically study whether the two variables truly demonstrate correlation or causality. We used data from 1970 to 2015. T
国際的レベルでのMARC開発の背景とその意義, さらに, それに伴う各種の標準化について触れた。次に, 国立国会図書館の書誌情報提供システムの概要を述べ, このデータベースを利用してのJAPAN/MARCについて, その開発経過と詳細仕様を解説した。特にJAPAN/MARCのレコード・フォーマットを中心に, その特徴およびキャラクタ・セットに言及した。
本研究では,カーリルの検索記録,国立国会図書館オンライン,公立図書館のOPAC, CiNii Books 等を用いて,以下の4 種類の図書が存在することを示した。即ち,(1)国立国会図書館(及び大学図書館)が所蔵しておらず,公立図書館が所蔵している図書,(2)それらのうち公立図書館が除籍してしまった図書,(3)その結果,国立国会図書館(以下, NDL)も大学図書館も公立図書館も所蔵しなくなってしまった図書,(4)そうした状態に陥る危機にある,NDL も大学図書館も所蔵しておらず,公立図書館1 館だけが所蔵している図書,の4 種類である。さらに,つくば市立図書館の除籍図書リストを用いて,同館も NDL が所蔵していない図書を除籍したことを示した。本研究では,公立図書館による共同・ 分担保存の例は少ないことを示した上で,NDL が所蔵していない図書を公立図書館が除籍する時は,NDL に寄贈する
Online ISSN : 2424-127X Print ISSN : 0021-5007 ISSN-L : 0021-5007
本研究では一般分類法の主類の選定と順序に関して,その哲学的および社会歴史的背景を考察する。このため1870年のHarrisの体系を起点に,現在までに考案され,単行本形式で出版された28の一般分類法(内訳は,普遍分類法11,統一分類法15,一館分類法2)を研究対象とする。一般分類法の主類は現実世界で確認される学問分野を基礎にしているが,世界観の相違と記号法の制約により,主類の数と順序は一様でない。さらに,一館分類法は自館の蔵書構成を反映し,国家の統一分類法はその社会歴史的背景を考慮している。普遍分類法だけが哲学的原理を保持している。筆者は体系の中心部が自然科学から始まるBrownのSC(1906), RanganathanのCC(1933), BlissのBC(1940), BCA/CRGのBC2(1977),およびUnesco/FIDのBSO(1978)が,進化論的発想に基づく普遍分類法の
情報処理振興事業協会では,21世紀の高度情報社会において,地球上に広く分散して個々に収集·蓄積されている知的資源を,ネットワークを通じて空間的·時間的制約を越えてアクセス可能とする実験的な情報基盤として,パイロット電子図書館システムプロジェクトを実施している。本プロジェクトは,2つのサブプロジェクトで構成される。一つは総合目録プロジェクト,もう一つは電子図書館実証実験プロジェクトである。実証実験プロジェクトでは,国立国会図書館の協力も得て,大量の電子化データを作成するとともに,さまざまな検索手法でアクセス可能な電子図書館のプロトタイプシステムを構築した。今後,将来の電子図書館を想定して実証実験を行う。
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