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ブックマーク / brevis.exblog.jp (235)

  • 職人の国の生産性を上げる、最良の方法 | タイム・コンサルタントの日誌から

    3月に新潟に行った際、宝山酒造(http://takarayama-sake.co.jp)という会社を訪問した。規模としては零細に近い造り酒屋だ。一応、工場見学、というか、仕込みと醸造の場所を見学させてもらった。平屋の木造で、いかにもゆかしい「酒蔵」である。それから、こうした見学のつねとして、畳敷きの小上がりの部屋に案内され、いくつか試飲させていただく。わたしはお酒に弱いたちで、日酒の目利きなどでは全然ないが、それでもなかなか美味しいと感じた。 試飲させてもらいながら、酒造の来歴の説明をうかがう。どこから杜氏を呼び、どんな努力の結果、満足のいくお酒ができるようになったか。また同じ酒蔵の製品でも、高級な純米大吟醸から普及版の醸造酒まで、どんな特色と違いを出しているか。小さな会社でも企業努力の種類は大手と共通している。たしかに大吟醸の虹色めいた香りの広がりから、醸造酒の新潟らしいきりっとした

    職人の国の生産性を上げる、最良の方法 | タイム・コンサルタントの日誌から
    Guro
    Guro 2017/07/24
  • 欧州におけるIndustry 4.0 − その虚像と実相(2) | タイム・コンサルタントの日誌から

    知り合いの人が最近、車を買った。人もうらやむドイツの有名な高級車である。ディーラーで購入を決め、さてオプションを選ぶ段になって、驚いたという。種々の選択肢から自由に選べないのだ。いくつかのオプション群がお仕着せのセットになっていて、そのどれかを買うしかない。高い値段を払ったのに、顧客の自由な選択権がないのだ。 「ドイツの提唱するIndustry 4.0の目標の一つが『マス・カスタマイゼーション』となっていますけど、当然だと思いました。」とその人は語った。「だって全然、お客の個別の注文に応じられる状態になってないんですから。日の製造業の方がはるかに先を進んでいますよ。」 マス・カスタマイゼーションとは、大量に生産しつつも、個別の要望に応じたカスタマイゼーションができる生産形態のことを指す。日ではどの自動車メーカーでも、色や内装や電装品まで多数あるオプションを、個別に自由に選べて、それでき

    欧州におけるIndustry 4.0 − その虚像と実相(2) | タイム・コンサルタントの日誌から
    Guro
    Guro 2017/07/05
    ぐう本質
  • 安全と危険の境目をはかる | タイム・コンサルタントの日誌から

    先日、作業現場の安全に関連して「度数率」という概念を紹介したが(「安全第一とはどういう意味か」参照)、これに多少似た概念で「事故率」という尺度がある。こちらは交通輸送などで使われる数字で、一人(あるいは1台)移動距離あたりの事故発生数である。たとえば国交省の統計によれば、国内の全道路における自動車の走行台・キロあたりの「死傷事故率」は現在100件/億台キロ前後である。言いかえると、自動車で100万キロ走行すると、平均約1回死傷事故に巻き込まれる可能性があることになる。 一方、航空機についての事故率は、輸送実績1億人キロあたりの死亡乗客数=0.04人という数字がある。台と人という単位系の違いがあるが、自動車1台に乗る平均人数は知れているから、両者を比較すると、自動車よりも飛行機の方がはるかに「安全」である、ということになる。実際、わたしの知るアメリカ人は北米と東南アジアを頻繁に往復する仕事

    安全と危険の境目をはかる | タイム・コンサルタントの日誌から
    Guro
    Guro 2017/06/27
    建築基準偽装。豊洲。核燃料消費。核廃棄物。
  • 怒りやすい人びと・怒っていると気づかない人びと | タイム・コンサルタントの日誌から

    近所の通りを歩いていたら、信号が黄色から赤に変わりはじめたのに、交差点に突っ込んできた乗用車があった。強引に右折して進んでいく。歩道近くの歩行者たちは、あわてて身をひき、皆がひやりとした。車のドライバーは、年配の男性だった。みたところ団塊の世代くらいか。車種はそれなりの中型車だった。 何を怒っているのだろう。わたしは思った。あきらかに、何かに腹を立てているかのような、乱暴な運転だった。別に渋滞でもなく、忙しい通勤の時間帯でもない。だから別のことに腹を立てているのだ。 それにしても、彼は何に怒っているのか。立派な車も持ち、たぶんきちんと家庭もあり、年齢から見て、日の高度成長の栄光と共に生きてきたはずだ。年金だって、それなりにもらっているだろう。多くの若い人から見れば、うらやむべき境遇ではないか。 もちろん、日常生活には腹の立つ場面はたくさんある。出がけに夫婦げんかでもしたのか、あるいは、好

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    Guro
    Guro 2017/06/18
  • 研究開発戦略へのシステムズ・アプローチと、モノづくり大国の貧困 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「日は、ものづくり大国だ」という言い方を、よく耳にする。モノづくり大国とはどういう意味なのか、わたしは正確な定義を知らない。GDPの中で製造業の占める割合が、すでに1割台に落ちている国に、ほんとに適切な形容なのかとも思う。だが、あまり正確に定義できる概念ではないのかもしれない。モノづくりが盛んで秀でているなら、「日技術大国だ」という言い方だって、同じくらいしても良さそうだ。しかし、なぜかそちらはあまり聞かない。そういう実感があまりないのだろうか? むろん日技術者のレベルは高い。そのことは、いろいろな国で仕事をしてきたエンジニアリング会社の人間として、証言できる。それでも「技術大国」という気がしないのは、なぜだろうか。技術大国という言葉でふさわしいのは、現在、どこの国だろうか。技術大国という以上は、少なくとも、技術者の待遇がよく社会的にも尊敬されていることが、必要条件だろうが。 1

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    Guro
    Guro 2017/05/24
  • 中堅エンジニアのための経営戦略入門 | タイム・コンサルタントの日誌から

    Kさん、お久しぶりです。ご無沙汰しておりましたが、何年ぶりかで社に戻られたとのこと。お元気そうで何よりです。 普通の人なら「社にご栄転」おめでとうございます、という言葉遣いをするところでしょうが、それでは工場より社の方が「上」である、という意味になりますね。わたしは社も工場も企業組織の一部であって、それぞれ役割が違うだけだと考えているので、あえてそうは申し上げません。それに、社への異動が栄転なら、以前Kさんが工場に移動されたのは左遷だったということになってしまい、ますます不適当ではありませんか。 まあそんな事はともあれ、社の製品企画部門に移られて、あらためて「製品戦略とはいったい何か? 何をどう考えるべきか?」という、真ん中直球の問いが頭の中に生まれた、というあたりが、とてもKさんらしいと感じました。たしかにおっしゃる通り、戦略立案が社の重要な機能であることは多くの人が感じて

    中堅エンジニアのための経営戦略入門 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 「理屈を言うな」という理屈 | タイム・コンサルタントの日誌から

    15歳の時の4月。高校の入学式を終えたわたし達・新入生は、各クラスでの挨拶と簡単な自己紹介のあと、体育館に集められた。「オリエンテーション」という行事があると言うことだった。どういう行事かの説明はなかった。 新入生ばかり400人あまりが集められた後、体育館の扉が閉められたが、中には先生達の姿はなかった。壇上には学ランを着た屈強な上級生達が十何人か立って、両手を後ろに組み、胸を反らして立って、わたし達新入生をにらみつけた。どうやら『応援団』という存在らしかった。その中の団長格とおぼしき人が壇上の中央に立って、上半身を腰から前にかがめ、わたし達に向かって、かすれた声で という声を発した。いや、正確には文字化が難しいのだが、とにかく強引に文字にすると、そういう音声だ。何事か、と驚いてきょとんとしているわたし達に向かって、壇上の、そして左右通路の応援団員達が、わたし達に口々に「返事はどうした!」「

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    Guro 2017/03/14
  • Pushで教育し、Pullで成長する | タイム・コンサルタントの日誌から

    子どもがまだ小さかった頃、よく「きかんしゃトーマス」を一緒に見た。このイギリス製の人形劇は、どうやら英国社会を引き写しているらしく、階級制になっている。機関車はおおむね真面目で勤勉だが、彼らに引かれて走る客車はいつも適当な連中で、機会があればサボることを考え、しょっちゅう脱線事故などの面倒を引き起こす。つまり機関車(Engine)は、技術者(Engineer)のような中産階級を連想させ、客車はすぐにストやサボタージュをする労働者階級を思わせる、という具合だ。 あるとき主人公のトーマスが、例によって客車にトラブルを起こされ、手を焼いていた。すると、となりの線路をゴードンという機関車がちらとトーマスを横目で見て、「人生は勉強だな」といって通り過ぎるシーンがあった。きかんしゃゴードンは中年男を思わせる横柄なキャラなのだが、この台詞はなぜかぴったりと役にはまっており、見ていたわたしと連れ合いはその

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    Guro
    Guro 2017/02/21
  • 契約音痴は、まだ続いている | タイム・コンサルタントの日誌から

    10年ほど前のことになるが、プロジェクトマネジメント学会に呼ばれて「トワイライト・サロン」で講演を行ったことがある。テーマは「海外プロジェクトの共同遂行におけるリスク要因」で、海外の企業と組んで共同でプロジェクトを進める際に、どんなリスクが考えうるかと言う話だった。共同で組む場合、ジョイント・ベンチャーや、コンソーシアムなどいくつかの契約上のパターンがある。また、スコープをどう分担するかも問題だ。これらを考えた上で、最適なフォーメーションをデザインする必要がある。わたしは同僚のAさんと一緒に、来場者の前でこうした問題についての考え方をお話しした。 講演の後質疑応答の時間になって、幾人かの方が質問に立った。ところで、PM学会の参加者は昔も今も、ほとんどがIT業界の人たちである。話題も、IT開発系プロジェクトがなぜかデフォルトになってしまう。その中の1つは、プロジェクトがスタートしたしばらく後

    契約音痴は、まだ続いている | タイム・コンサルタントの日誌から
    Guro
    Guro 2017/02/14
    “なかでもITプロジェクトは、どこの国でも、難しいのだ。ITの発注者側にこそ、よりきちんとしたプロジェクト・マネジメントの理解が必要なのだ”/この難しさを回避する内製はありか。マネジメントは望むベくないか
  • 意外性に動じない心を持つために | タイム・コンサルタントの日誌から

    大学3年生の時、専門科目の学生実験があった。わたし達の班は「流動層の伝熱測定」という課題が与えられた。流動層というのは、丸い円筒形の容器の中に、細かな粒子(粉体)を半分くらいまで入れて、容器の底のノズルから気体を送り込んでやる装置だ。気体の流量がある点を超えると、それまでは単なる粉の集まった固体のように見えた層の中に、急に泡が生じて、全体がまるで液体のようにふるまい出す。これを流動化開始速度と呼ぶ。中で起きているのは、固体と気体とが混じり合って、液のような乱流を示す現象だ。化学プラントでは、細かな触媒粒子を使う化学反応で、反応熱が大きいときに、よくこのような装置を使う。中が良く混ざるので、熱がホットスポットのように集中しないですむからだ。 さて、わたし達の班は指定された運転条件で実験装置を動かし、得られたデータを元に計算した。ところが、教科書に載っている伝熱係数の推算式と、結果が3割も違う

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    Guro
    Guro 2017/02/08
  • 結果オーライのマネジメントでいいのか? - 成果の予見可能性を高めるために | タイム・コンサルタントの日誌から

    海外企業で経営者の一員として働く知人が、「利益額という結果だけで親会社から評価されマネージされるのではたまらん」と考え、Strategic Business Planを策定したという話を、前回書いた。彼は安定した成長の軌道を描くために、そして必要な経営資源を明らかにするために、苦心している訳である。では組織が「結果オーライのマネジメント」を脱して、成果の予見可能性を高めるためには、どうしたらいいのか? 答えはある意味、単純である。最終結果だけではなく、途中段階をコントロールする。すなわち、仕事を結果に至るまでの過程=プロセスに分解し、プロセスを構成するそれぞれのステップがきちんと働くようにすることである。たとえていうならば、長い釣り竿の先端を、ねらった位置にぴたりと当てるゲームを考えてみてほしい。根元だけ持って、先端の位置をコントロールするのは難しい。途中で勝手にしなるし、手元のブレや風の

    結果オーライのマネジメントでいいのか? - 成果の予見可能性を高めるために | タイム・コンサルタントの日誌から
    Guro
    Guro 2017/01/26
    “「総員がその持ち場で最善を尽くせば、結果は必ずついてくる」などというのは、じつはマネジメントの不在を示している。”
  • 好きな事・上手にできる事・稼げる事・世の役に立つ事 | タイム・コンサルタントの日誌から

    この図形をいつ、どこで見つけたのか、正直いって思い出せない。ネットで拾ってきたのは確かなのだが、今、検索し直してもオリジナルがどれか見つけられずにいる。でも、著作権不明なまま、掲げておこう。非常に気が利いていて、初めて見たときから面白いと感じたからだ。 言うまでもないが、これは「人生の目的」に関する、一種のベン図である。ベン図は集合の包含関係を示す図だが、日人は視覚的な表現にたけている人が多いらしく、ほとんど説明せずに理解してくれる。この図は、わたしやあなたが、毎日している(かもしれない)ことを、大きく4つの領域に分けて示している。 図の一番上にある円が示す領域は、”You love it”である。つまり、好きな事、したい事を表す。そして、図の左側にあるのは”You are great at it”、すなわち「上手にできる事」を示す円である。さらに反時計回りに図の下側に目をやると、”Yo

    好きな事・上手にできる事・稼げる事・世の役に立つ事 | タイム・コンサルタントの日誌から
    Guro
    Guro 2017/01/13
  • クリスマス・メッセージ:見えるコストと見えない価値 | タイム・コンサルタントの日誌から

    わたしは現在、勤務先でのフルタイムの仕事のかたわら、大学で少しばかり授業を持っている。夏学期は東大の大学院、冬学期は法政の学部3年生に、それぞれ毎週プロジェクト・マネジメントを教えてきた。今年はそれに加えて、静岡大学の社会人大学院(MOT)も集中講義を冬に持つことになった。さらに単発的に大学や企業、JAXAのような研究機構などに講師として呼ばれている。科目はプロジェクト・マネジメントが中心だが、生産マネジメントやBOM/部品表などもある。そして、自分が主宰する研究部会でも、「PMの自己育成のシステム」の構想を共同で作り始めたりと、なぜかわたし自身にとって「教育の当たり年」みたいな年だった。 しかし、それらの中でも、大学の学部生にプロジェクト・マネジメントを教えるのは飛び抜けて難しい仕事だ、というのが実感である。理由は受講生たちの学力とか理解力の問題では、たぶん、ない。そもそも人と働いた経験

    クリスマス・メッセージ:見えるコストと見えない価値 | タイム・コンサルタントの日誌から
    Guro
    Guro 2016/12/26
    "人件費を一種の繰延資産として資産計上するよう、ルールを変更する事である"!!!/すばらしいクリスマスプレゼント/価値のあるもの(人材)を価値があるように扱えていない、というのがこの社会の困ったところ
  • 書評:「AさせたいならBと言え」 岩下修・著 | タイム・コンサルタントの日誌から

    マネジメントという言葉はいろいろな意味を持つ多義語だが、中核には「人を動かす」という行為がある。自分が直接手を動かして、成果物やアウトプットをつくり出すことは、立派な仕事だが、マネジメントではない。人に働いてもらうことが、マネジメントである。わたしがプロジェクト・マネジメントを人に教えるときには、最初にそのことを力説する。 現実にはマネジメントだけに専念する人は少なく、たいていは自分も手を動かしているだろう。わたし自身だって、職場ではそうだ。ただ、自分でやることと、人に頼んで動いてもらうことは、頭の中で明確に区別している。後者の場合は、計画を立て、作業分担を決め、アウトプットを指定して、やってもらわなければならない。 あれほどきちんと伝えたはずなのに、ぜんぜん動いてくれない。あるいは、こちらの思ったこととは全く別のことをやろうとする。やってくれるのはいいのだが、必要以上に暴走する。問題が生

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    Guro 2016/12/14
  • ムリ・ムラ・ムダ 〜 どれが一番いけないか? | タイム・コンサルタントの日誌から

    トヨタ生産方式では、周知の通り「働きに結びつかない動きをムダと呼ぶ」と定義する。そして徹底したムダ取りを行っていくのだが、このとき、「ムラがあるから、ムリをする。ムリをするから、ムダが出る」という因果関係で、物事を見る、と経験者からきいたことがある。つまり、なぜムダが生じるのか、という問題について、非常にジェネラル(汎用的)なレベルで

    ムリ・ムラ・ムダ 〜 どれが一番いけないか? | タイム・コンサルタントの日誌から
    Guro
    Guro 2016/12/09
    (出版点数の季節変動ムラはどう解決したら良いのか)
  • なぜ、製造業のIT化が進まないのか? 〜お金をちゃんと投資しよう | タイム・コンサルタントの日誌から

    わたしが中小企業診断士の資格を取ったのは、もう20年以上も前のことだ。その頃、診断士の試験は「鉱工業」「商業」「情報」の3コースに分かれていた。どの試験を通っても、おなじ診断士の資格を名乗れる。わたしは情報系を選んだ。「情報」コースには、さらに専門試験科目が「流通情報」と「生産情報」の二種類あったので、わたしは「生産情報」を選んで試験を受けた。工場づくりをビジネスとするエンジニアリング会社に勤める人間としては、当然の選択であった。 ちなみに診断士試験に「情報」コースができる前は、「鉱工業」と「商業」の二種類しかなかった。これはちょっと不思議である。だって、まるで中小企業には製造業と流通業しかないみたいではないか(鉱業も入っているが、石炭産業の盛んだった戦後ならいざ知らず、鉱業にはほとんど大企業しか残っていない)。しかし、たとえば運送業にも建設業にも、中小企業はたくさんある。それなのに専門試

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    Guro
    Guro 2016/11/28
  • アカウンタビリティとは「命令責任」である | タイム・コンサルタントの日誌から

    「RACIチャート」というものをはじめて知ったのは、90年代半ばのことだ。当時使っていたアメリカのERPコンサルタント会社が、要件定義段階での役割分担をRACIチャートの形にまとめてきて、なるほど、こういう整理の仕方があるのかと知った次第だ。ついでにいうと、「サプライチェーン」という言葉も、同じ時にはじめてきいたのだった。まだ日ではほとんど知る人のいない概念だった。 RACIチャートとは、業務の上での役割分担と責任範囲(Role and Responsibility)を、分かりやすく整理するための表である。ふつう横軸の欄には、関係者や部門の名前が並び、縦の行には業務を構成するアクティビティが続く。そして、どのアクティビティは誰がどのような役割で関わり、責任はどこが持つかを書く。このとき、

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    Guro 2016/11/06
  • 学ぶ人になりたいか、真似る人になりたいか | タイム・コンサルタントの日誌から

    先週の10月21日(金)に、わたしが主査を務めるプロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会(長いから以後はP&PA研究部会と略そう)で、「プロジェクト・マネジメント教育への新しいアプローチ」と題する報告を行った。P&PA研究部会では数ヶ月前から有志6名が集まって、(仮称)PM教育分科会をつくり、ディスカッションしてきた。その中間発表と、会員同士の意見交換が当日の主な内容だった。 「新しいアプローチ」とはどういう意味か? それは「教えない」ことだ。いや、より正確には「教えすぎない」ことというべきか。わたし達は、教育とは「正解の知識」を伝授することではない 、と考える。マネジメントという行為は、ほとんどの場合、正解のない問いに答えて決断していかなければならない。なぜ正解がないかというと、どのような意思決定であれ、それがプロジェクトにもたらす結果には不確実性がつきまとうこと、また複数の価値基準

    学ぶ人になりたいか、真似る人になりたいか | タイム・コンサルタントの日誌から
    Guro
    Guro 2016/10/31
    ”現代の企業は、教育ということに対する取組みが、ひどくやせ細ってしまった。” ”技術者の側が、自分の身を守るために手を結び、互いの学びの場を作っていくべきだろう”
  • プロジェクト・コミュニケーションのベーシック 〜 情報のトレーサビリティを確立する | タイム・コンサルタントの日誌から

    英語のCommunication と、日語の「コミュニケーション」という言葉には、微妙なニュアンスの違いがある。わたし達が会話で「コミュニケーションが良くなった」などと語る場合、ふつうは双方向の意思疎通を意味している。「前の課長は向こうが一方的に命令してくるだけだったが、今度の課長はちゃんとコミュニケーションができるよな」という風に。もっと柔らかい言い方をすれば、『ふれあい』みたいな、感情面での同調というニュアンスを含む。 ところが英語のCommunicationは、原則として情報の伝達を意味している。それは、たとえ一方向でも成立する。だから、TV局が電波で大勢に向けて一方的に情報を発信する様な仕組みを、英語ではMass Communicationとよぶ。これは日語でマス・コミュニケーションとなり、いつものように発音しやすい4文字言葉化して「マスコミ」になった(口頭では、コミュニケーシ

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  • B2B企業にイノベーティブなITは可能か | タイム・コンサルタントの日誌から

    あなたは、ある中堅SIerの開発部長だ。会社は受託システム開発をなりわいとしており、有名ではないが堅実な経営を続けている。そんなあなたはある時、突然社長に呼ばれて、こう言い渡される。 「君には明日から、わが社のCIOになってもらいたい。これまで外の顧客の仕事をずっとしてもらってきたが、明日からは経営者の一員として、わが社の情報システムを見てもらうつもりだ。紺屋の白袴じゃないが、我々の社内IT利用は、十分とは言えない。君には是非とも、これまでの外販の経験を活かして、イノベーティブなITの仕組みを作ってもらいたい。単なる業務の効率化だけではなく、新しいビジネスを生み出せるようなITの仕組みを、だ。」 経営者の一員、すなわち役員に抜擢された訳だ。とても誇らしい気持ちになる。しかし社長室を出て自分の席に戻ると、あなたはだんだんと大変な役回りを引き受けたらしいことに、気づき始める。わが社にとってイノ

    B2B企業にイノベーティブなITは可能か | タイム・コンサルタントの日誌から
    Guro
    Guro 2016/09/20