【リヨン=稲田信司】フランス上院は14日、イスラム教徒が顔を含む全身を覆い隠す「ブルカ」などの衣装を公共の場で着用することを事実上禁止する法案を賛成多数で可決。同法は成立した。国家としての禁止法成立は欧州で初めて。 同法については国務院が個人の自由を尊重する立場から違憲の疑いを指摘したこともあり、憲法評議会が合憲性を審査する意向を示した場合に備えて、施行は公布から6カ月後の2011年春と定めた。憲法評議会が審査を実施して違憲判断を下した場合は同法は施行されない。 同法が施行されれば、公共の場で顔を隠す衣装の着用を禁止される。違反すると罰金150ユーロ(約1万6千円)か、フランスの習慣などを学ぶ市民教育の受講が義務づけられる。また、女性に着用を強制した夫などについては、最高で禁固1年か罰金3万ユーロが科せられる。 フランスのブルカ禁止論議は、昨年6月に国民議会(下院)に強制着用の実態調