先日、ある男子プロゴルファーの取材をし、3000円ちょっとの昼食をごちそうしようとしたら「こんなに高級なところでいいんですか?」と驚かれた。 いや、驚いたのは、むしろこっちの方だった。その選手は、かつて賞金王争いも演じ、優に1億円を超える賞金を稼いでいた選手だったのだ。こちらとて取材の続きとお礼を兼ねるつもりで、せめて昼食だけでもと奮発しただけだったのだが……。 そのときふと思い出したのが斉藤和巳だった。 言わずと知れたかつてのソフトバンクの大黒柱で、2003年、2006年と二度も沢村賞を獲得している。 プロ野球の世界は、他のプロスポーツ界同様「実力の世界」だという。だが、それはある面正しく、ある面正しくない。 団体スポーツは大抵そういうものだが、過去の実績で未来の報酬が決まる。つまり、極端な話、前年活躍すれば、その年1試合も出なくとも相応の給料がもらえるのだ。その翌年も、よっぽどのことが