書評に関するJD-1976のブックマーク (78)

  • 「日銀デフレ」大不況 若田部昌澄著 - taroyan155の日記

    タイトルだけ見ると、日銀批判という印象も受けたが、その内容はいまの日が陥っている不況の中味を適切に分析し、1929年の世界恐慌や昭和恐慌の経済史の観点から、いまの不況脱出に必要な政策は、財政金融政策であると分かりやすく解説されている、私のような経済初心者(経済の基礎知識があれば)でも理解できるものになっている。 著者の主張の基スタンスは、次の通りである。 「経済政策は、財政政策と金融政策をセットで行うことが、基中の基である。」 「マクロ経済学では、デフレへの対処方法は一つしかなく、財政政策で内需を刺激するとともに、金融緩和により通貨供給量を増やす。」 そして、要となるのは「金融政策」であり、「財政政策」だけでは効果は低いかほとんどないと断じている。 そして、日の不況の元凶は「デフレ」であり、このデフレ下では「財政再建は不可能」という事実を認識する必要があるとも指摘。 しかし、その

    「日銀デフレ」大不況 若田部昌澄著 - taroyan155の日記
  • 完全雇用マニュアル入門編:松尾匡著「不況は人災です!―みんなで元気になる経済学・入門」 - Demilog

    不況は人災です! みんなで元気になる経済学・入門(双書Zero)作者: 松尾匡出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/07/07メディア: 単行購入: 1人 クリック: 70回この商品を含むブログ (12件) を見る このについてはTwitter読書の実況中継しますと言いながらなかなかできなかったので、ブログのほうでまとめて書くことにします。書評とか感想すらうまいこと書けませんのでの紹介ということで。以前Twitterで完全雇用マニュアルはないのか?という話題が出ていたのですが、大勢の人にとってまさにこのがその入門編になると思います。 実況中継のログから拾って整理しただけなので1章ごとの紹介という長々したものになります。とはいえ詳しい話は省略してありますので、屋さんで買ったり図書館で借りたりして、読んで確認してみてください。ありがたいことにサポート用のブログも立ち上げら

  • SYNODOS Blog : 【本日の一冊】J.M.ケインズ『ケインズ説得論集』 片岡剛士

  • 若田部昌澄『「日銀デフレ」大不況』

    石橋湛山賞受賞とタイミングを一にして、若田部さんの新刊が登場です。 非常にわかりやすい語り口で、日銀行の現状の政策スタンスが、日経済を脆弱なものにしていること、これを解決するには、日銀行法を改正してインフレ目標の導入を図るなど、日銀行の政策スタンスの転換(不況レジームからの転換)が必要である、と説いています。 また最近のマスコミの報道の仕方への疑問や、IMFの増税「提言」(提言ではないことは書で明瞭に説明されている)の検証など、メディアリテラシーのとしてもすぐれた分析を提示しています。 特に書で力が入っているのは、「なぜ日銀行は過度にインフレを嫌うのか(=なぜ日銀行はデフレ志向ぎみになるのか)」という問いに、70年代の石油ショック前後の経験などを深く分析し、このインフレ嫌いの「DNA」のルーツをわかりやすく分析することで解答を提出していることでしょう。またギリシャ危機の正

    若田部昌澄『「日銀デフレ」大不況』
  • SYNODOS Blog : 【書評】浜田宏一、若田部昌澄、勝間和代『伝説の教授に学べ!本当の経済学がわかる本』 片岡剛士

    2010/07/2700:00 【書評】浜田宏一、若田部昌澄、勝間和代『伝説の教授に学べ!当の経済学がわかる』 片岡剛士 伝説の教授に学べ! 当の経済学がわかる  著者:浜田 宏一 販売元:東洋経済新報社 発売日:2010-06-25 おすすめ度: クチコミを見る 浜田氏の名前を知らない経済学徒は「もぐり」である。 1936年に生を受けた浜田氏は、東京大学法学部で学んだあと、経済学部で経済学を学び、東京大学修士課程、そして米国イェール大学にてジェームズ・トービン教授(1981年ノーベル経済学賞受賞)に師事した。その後、国際金融論の分野で世界的な業績をあげられているのは周知のとおりだ。 このような世界的業績を有する浜田氏が、なぜ書を刊行することになったのか? それは我が国の停滞がデフレを伴いつつ長期に渡り、そしてこの長期停滞によって社会の弱い立場に立つ人びとが苦しめられてい

  • ヘンリー・ハズリット『世界一シンプルな経済学』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    ヘンリー・ハズリットはリバタリアン(個人の自律性や市場の効率性、政府・官僚への制約を中心にした考え)の啓蒙家と一部の人には知られている人物であった。若田部昌澄さんの書解説では、ハズリットの経済思想は主に古典派経済学とミーゼスらのオーストリア経済学に依存しているという。そして書はまたフランス19世紀の経済啓蒙家として名高いフレデリック・バスチアの著作の翻案・改訂版といっているという。 書は経済啓もう書の古典だけあって読み応え十分である。ハズリットの見解は、政府や官僚への不信には、若田部さんの指摘するように、政府の非効率性だけには基づかない深い思想を感じるという。それが典型的に出ているのが、第7章の機械化は失業を増やすか、であろう。 例えば、機械の導入は、既存の労働者やその利害関係者がいうようには、失業を増やしておらず、むしろ雇用を増加させている、ということが、ハズリットの丁寧な解説でわ

  • 494松尾匡著『対話でわかる痛快明解経済学史』,『不況は人災です!――みんなで元気になる経済学・入門――』 - akamac's review

    書誌情報:日経BP社,316頁,体価格1,600円,2009年8月31日発行 対話でわかる 痛快明解 経済学史 作者:松尾 匡発売日: 2009/08/27メディア: 単行書誌情報:筑摩書房,219頁,体価格1,600円,2010年7月5日発行不況は人災です! みんなで元気になる経済学・入門(双書Zero) 作者:松尾 匡発売日: 2010/07/07メディア: 単行 - 選挙の結果次第では政権が代わり,政策実現過程も変わりうることを示したことでは昨年の総選挙と今回の参議院選挙は意味がある。日を暗黒の雲のように覆う昨今の不況が政策の間違いや必要な政策の欠如であるとするならば,世論次第で政策を変え,それを実現できる政権の誕生も可能になる。 経済学を知ることで社会を動かす経済の仕組みと経済政策の有効性を問いかける新著は時期に叶った出版だ。不況は天災ではなく,歴代自民党政権と財界,日銀

    494松尾匡著『対話でわかる痛快明解経済学史』,『不況は人災です!――みんなで元気になる経済学・入門――』 - akamac's review
  • マイケル・サンデル著「これから『正義』の話をしよう」を読む - A.R.N [日記]

    NHKで放映されていた「ハーバード白熱教室」の内容を元に書き起こされた政治哲学の解説書である。私も「ハーバード白熱教室」を見ていたが、なぜ今までこのような内容が放置されていたのか理解出来ないくらい面白く興味深い内容だった。 私自身はここ十年くらいは経済学を中心に知識を拡充してきたこともあり、同番組も経済学から見て正当化可能か、という観点から見ていた。経済学は、社会における数字で捉えられる現象を分析することで資源の最適配分を考える学問であり、道徳哲学のうち客観的に検証可能な範囲を取り扱っているとも言える。 私が「スティグリッツ経済学」を最初に読んだときに感じたのは、思想を導入しなくてもこんなに多くのことがわかるのかという驚きであり、思想をウサン臭く感じていた理系人間にとっては、これこそ真の思想書なのではないかと思ったものである。 その後、経済学について詳しくなっていくにつれて気付いたことは、

    マイケル・サンデル著「これから『正義』の話をしよう」を読む - A.R.N [日記]
  • 徒然なる数学な日々 at FC2 - FC2 BLOG パスワード認証

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  • 岩田規久男『「不安」を「希望」に変える経済学』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    とても楽しみに待っていました。御をお送りいただき大変嬉しいです。最近、リフレ派の人たちのは何度もじっくり読み返すことを意識的にしようとしています。自分の血肉に変えるために必要な作業だという意識からです。そして岩田先生のは、その意味でも体系的に日の政策問題を考える格好の指南書です。 冒頭で現在の民主党政権の政策を、政策の割り当て基準から厳しく評価していきます。ここだけでも一冊分の内容ですね。成長分野は政府が決める能力もその資格もないことを明瞭な論理で説き明かしています。環境政策、高速道路無料化、子ども手当、農家の個別所得補償制度などが次々と経済学の明瞭な尺度で批判されていくのは、読者にとっても得難い武器をもらった感じになるでしょう。 日の長期停滞をもたらしたのは、構造要因か、それとも日銀行の失敗による循環的な要因か、この対立について最新の実証結果を応用しながら、「ゾンビ企業仮説」

    岩田規久男『「不安」を「希望」に変える経済学』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
  • 広い意味での最低の組織・書評・田中秀臣『デフレ不況 日本銀行の大罪』

    田中秀臣著『デフレ不況 日銀行の大罪』を読むのには随分時間がかかった。文章は読みやすいし、とても良い内容なんだけど、書が批判している日銀行の言動にいちいちムカムカしてしまって読み進めるのが難しかった。 書は経済学であると同時に、経済学者がジャーナリスティックな視点から日銀行を批判しただ。なので、まず日銀の社会的に問題のある言動が紹介されて、その上で日銀の経済学的なおかしさが解説される。ので、経済学に馴染みのない人でも何がどう問題なのかよく分かると思う。 2009年11月4日に、白川日銀行総裁は「デフレリスクによって景気が上下動する可能性は少なくなった」(p.28) と述べている。ところが同じ月の30日には「デフレ克服のための最大限の努力を行っていく」(p.30) と正反対のことを変な言い回しで述べた。この変身イリュージョンの理由は、この間に日銀が否定してきたデフレを政府が

    広い意味での最低の組織・書評・田中秀臣『デフレ不況 日本銀行の大罪』
    JD-1976
    JD-1976 2010/06/14
    すばらしい書評。見習いたい。
  • 上念司『「日銀貴族」が国を滅ぼす』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    頂戴しました。ありがとうございます。上念さんの処女作『デフレと円高の何が「悪」か』は高い評判をよんだ。多くの読者が、日の停滞の真因がデフレであり、それは自然現象でも外国のせいでもなく、日銀行の政策のミスであることがわかった、との感想が多く著者のもとに来たという。 しかし少なくない読者は、「日銀ほどの優秀な人たちの集まりがこんな単純なミス(貨幣をより多く供給しインフレにすることを約束すればデフレ脱出)をするのはおかしいのではないか?」と感想を述べてきたという。 そこで著者の第二作は、このデフレと円高の元凶である日銀行そのもの、そして国民の多くが持つ「日銀性善説」に深く切り込む内容となっている。 特に上念さんは日銀行がなぜ「性善説」ならぬ、自らの政策の失敗を認めず、認めないどころか次々と事実を都合よく解釈し、責任回避を試みてきたかを、日銀総裁やその幹部たちの発言、さらに国会での質疑など

  • 細川護煕(著)・伊集院敦(構成)『内訟録 細川護煕総理大臣日記』を読む

    2009年8月の歴史的とも言える民主党の衆院選勝利から早10ヶ月。鳩山政権は『新しい優先順位に基づいて、すべての予算を組み替え、子育て・教育、年金・医療、地域主権、雇用・経済に、税金を集中的に使います』と謳ったマニフェストを携えて臨んだものの、国民の期待に沿うことはかなわずに鳩山・小沢両氏の退陣という形で崩壊した。 非自民政権という意味では、2009年8月の経験が最初ではないことは周知のとおりだ。一つ前の非自民政権は、16年前の夏、1993年8月に成立した。現政権の主要なプレイヤーである鳩山氏や小沢氏も政権の中枢で活躍した、細川政権である。 突然の「小鳩退陣」から1週間と経っていない訳だが、細川政権の成立と挫折の記録から果たして鳩山氏や小沢氏は何を学んだのだろうか。何も学んでいなかったのか。政権の類似点は何か、そして相違点は何なのか。 そんなことを考えている折に、書は刊行された。書は、

    細川護煕(著)・伊集院敦(構成)『内訟録 細川護煕総理大臣日記』を読む
  • 海老原嗣生『課長になったらクビにはならない』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    海老原さんの日型雇用システムの利点(企業のインサイダーは一定年齢以上で、よほど能力を低評価されていないかぎりリストラされない、管理職は転職できない=企業内特殊熟練ゆえ)に注目した、私見では海老原さんの著作の最高傑作だと思います。 あいかわらず各種の統計データを駆使して、通念や政策の場で言われていることを冷静に論駁しています。例えばワーキングプア1022万人の中味が実は大半が「主婦」であること。最低賃金改正は経営基盤の弱い企業を直撃する、また「同一価値労働同一賃金」の空理空論ぶりも指摘しています。 もちろん書では日型雇用システムの長所をあえてクローズアップする戦略を採用していて、むしろ日型雇用システムの問題として指摘されてきた諸点は、その批判者たちの事実誤認による、という海老原さんの戦略はわかりやすいものです。僕も『日型サラリーマンは復活する』で同様の戦略を採用したからです。もちろ

    海老原嗣生『課長になったらクビにはならない』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
  • 高橋洋一『日本の大問題が面白いほど解ける本』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    高橋さんから頂戴しました。ありがとうございます。これはとても素晴らしいですね。いまの日の経済問題をほぼすべて網羅しながらも、簡潔かつレベルを落とさずに説明しています。これを今日読んでいて、この種のを高橋さんがあと何冊か書いてしまうと、もうそれだけで経済問題関係は大概ほかのはいらないような気さえしてきます。それだけこのはいままでの高橋さんの著書の中でも難しい問題を名人級のレベルで解き明かしているのです。その手法のキーは、費用便益分析と、規範と実証の明瞭な分離、そして数字と法制度に明るいことです。さらにこれに各省庁や政治家たちの裏舞台を、やはり彼らの行動を費用便益分析(経済合理性)の観点から辛辣に記述していることにも特徴があります。 ともかくネタのオンパレードなので、いま書いたような総花的な表現が精一杯なのですが、いくつか興味を魅かれた点を列挙していきましょう。 1 八ッ場ダムを費用便

    高橋洋一『日本の大問題が面白いほど解ける本』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
  • 片岡剛士『日本の「失われた20年」デフレを超える経済政策に向けて』を読みました。 - くまくまことkumakuma1967の出来損ない日記

    このは、多くの人が2月のうちにも読み終わって書についてのなんだか高度な議論(と図表の多い書物の宿命である誤植退治)に突入していきました。 私もが出てすぐ書店に注文して入手したのですが、みなさまの議論をよそに、なかなかこのに立ち向かう十分なまとまった時間がとれず、細切れにだらだらといきつもどりつ読んできました。*1 遠距離の出張の度に持ち歩いていたので、カバーがだいぶくたびれました。 読むのにとても時間がかかった理由の一つは、書には公開されたデータがふんだんに用いられ、図表などの資料はかなりの部分、読者自らが確かめられるものだということ。 だれでも書の著者の論じる所をデータにさかのぼって調べ、検証できる。 その事で議論の公正さがおおいに担保されているのは素晴らしい美点だとおもいます。 ところが、同時に片岡氏のナビゲーションでこの20年の経済をタイムトラベルできる優秀なガイドブック

    片岡剛士『日本の「失われた20年」デフレを超える経済政策に向けて』を読みました。 - くまくまことkumakuma1967の出来損ない日記
  • 長谷川幸洋『官邸敗北』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    頂戴しました。ありがとうございます。 書は、鳩山政権と財務省との関係に特に注目しながら、さまざまな視点からいまの政権が財務省の協力→財務省の排除→財務省との敵対関係、とでも極端にいえば表現できる形で、権力の図式が変わるとともに、政権としての求心力を消失していく様子が描かれています。登場人物も有名無名含めて多彩で、読んでいると経済小説を読んでいるような気にもなってくるほど筆致がさえてますね。 これを読んでいて思うことは、やはり法的根拠のない政策決定や政策形成の場など、ほとんど意味がない、ということです。例えば書でも指摘されていますが、自公政権時代の経済財政諮問会議が廃止されたため、日銀との交渉の場どころか、各省庁や利害関係者との調整の場が実効性のあるものとしては不在だといういまの日の状況は深刻でしょう。もう政権発足後、半年を軽く上回っているのにその状況には変化はありません。 書で

    長谷川幸洋『官邸敗北』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
  • 上念司『デフレと円高の何が「悪」か』 - kmoriのネタままプログラミング日記

  • デフレ不況 日本銀行の大罪 感想 - テキトウメモ

    まず一読した印象は、戦前から現在までの経済史のすっきりとした見通しが得られるだということ。昭和恐慌でも、小泉政権でも、少しでも経済に関心があれば必ず得るものがあるだろし、単純に読み物としておもしろい。 そして、現在の日銀に対して、常識からの批判が行われているのが印象深い。もちろん経済学的な知見からの批判も丁寧になされているので、常識的な面からも経済学的な面からも日銀行という組織のおかしさが浮き彫りにされている。 1章から順に読んでいくと、デフレの原因が日銀行の政策にあること、なぜデフレが悪いのかということ、なぜ日銀行がデフレを継続させるような政策を採り続けているのか、そしてその歴史的経緯、現在のデフレ不況から脱出するために採用すべき政策がどのようなものなのか、ということが丁寧に解説されている。 引用したい部分は色々あるのだけど、それをやってしまったら感想文にならないし、このは一冊

    デフレ不況 日本銀行の大罪 感想 - テキトウメモ
  • 田中秀臣『デフレ不況 日本銀行の大罪』を読む

    様々な経済関係の論文・論説・書籍・公表データから感じたことを気軽にメモ風に纏めるブログ。リンク等は御自由に。 我が国がデフレに陥って早10年が経過した。「失われた20年」とも呼ばれる長期停滞に、このデフレが大きな影響を及ぼしていることは言を待たないだろう。書は、デフレに最も大きな影響を与える金融政策、日銀行について論じた書籍である。 まず一読して感じたのは、「デフレ」という現象と「デフレ」に決定的に影響を与える日銀行について様々な視点から論じられていることだ。 第一章は「日銀理論」について手厳しい批判がなされる。デフレに最も影響を及ぼすのが日銀行の金融政策であるにも関わらず、現下のデフレに責任が全く無いと主張する総裁、経済危機やデフレに関する当事者意識のなさ、政府によるデフレ宣言以降の迷走、必要以上にバブルを懸念する政策スタンス、イエスマンが横行する組織、といった特徴が指摘される。

    田中秀臣『デフレ不況 日本銀行の大罪』を読む