オリンパスは、その巨額な粉飾決算や不透明な資金の流れをめぐって、東京地検特捜部、米連邦捜査局(FBI)、米証券取引委員会(SEC)などの捜査を受けている。こういった捜査に全面的に協力しているのが、ウッドフォード元社長である。オリンパスの一握りの経営陣の間で脈々と受け継がれてきた、過去の財テクの失敗の飛ばしは、ウッドフォード元社長により追及され、マスコミに明るみになった。菊川剛元会長らによる報復人事として、ウッドフォード氏は社長職を解任された。この報復に対する報復として、ウッドフォード氏は、過去の不透明なM&Aなどの情報を、マスコミや捜査当局にリークしたのである。 筆者は、刑事犯にされかねないリスクを犯してまでこれらの飛ばしを黙認していた菊川氏らオリンパス経営陣や、逆に刑事犯にされるリスクを恐れて飛ばしを追求したウッドフォード氏の行動を、日本独特の企業統治の観点から解説した。会社特殊的なスキ