一昨年5月に亡くなった現代を代表する叙情詩人、長田(おさだ)弘さん(1939~2015年)の全蔵書が故郷・福島市の福島県立図書館に寄贈され「長田弘文庫」として開設された。かけがえのない日常を平易な言葉で捉えた詩作はもとより、評論やエッセー、児童文学、翻訳書など幅広い活動の背景となった蔵書群は、20世紀と真摯(しんし)に向き合った第一級知識人の思索の跡を伝える貴重な資料といえる。 資料総数8519冊(自著123冊を含む)のうち和書は6914冊、洋書が1605冊。国内外の詩集や文学関係書をはじめ、芸術書や哲学書、歴史書から童話や絵本までジャンルは多岐にわたる。蔵書は、東京都内の自宅書斎に設けられた扉付き本棚と数連の移動式書架に保管されていたが、11年3月の東日本大震災以降、長田さんは親族に「受け入れてもらえるなら福島の図書館に寄贈したい」と意向を伝えており、昨年2月から搬入…
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