著作権の制限 知的財産は厳格に守るべきだ(7月6日付・読売社説) 知的財産権は厳格に守る、という著作権法の大前提が崩れていくのではないか。そんな懸念を抱かせる提言だ。 文化審議会の小委員会は、著作者の権利を制約する「権利制限の一般規定」(日本版フェアユース規定)の導入を求める「中間まとめ」を発表した。 著作権法は、許諾を得ずに著作物を利用できる事例として、個人が私的目的で行う複製や、報道・研究目的での引用などを具体的に列挙している。 これに対し米国では、「公正な利用」ならば、著作物を自由に利用することができる。いわゆるフェアユースの制度だ。著作物の要約などを公正な利用として許容することが、社会のより大きな利益になるとの考えが根底にある。 公正か否かは、裁判所が著作物の使用目的や市場への影響などから総合的に判断する。100年以上に及ぶ判例の蓄積もある。 例えばグーグル社は、フェアユースを根拠