作家・百田尚樹さんの著書「日本国紀」(幻冬舎)を批判する投稿をツイッターでしたことで、「幻冬舎から刊行予定だった文庫本を出せなくなった」と作家の津原泰水(やすみ)さん(54)が訴えている。既に幻冬舎から単行本で発売されている津原さんの小説が今春、同社から文庫化される予定だった。が、作業が大詰めとなった今年1月、同社の担当編集者から「(日本国紀の)販売のモチベーションを下げている者の著作に営業部は協力できない」と伝えられたと主張する。幻冬舎側は毎日新聞の取材に、「文庫化を一方的に中止した事実はない」と否定する一方、日本国紀への批判をやめるよう津原さんに働きかけたことは認めた。【大村健一/統合デジタル取材センター】 幻冬舎から文庫化が予定されていたのは小説「ヒッキーヒッキーシェイク」で、2016年の織田作之助賞の最終候補にも残った作品だった。毎日新聞の取材に応じた津原さんは、「あとはゲラ(校正
守谷市は来年度、市立図書館の運営を民間委託から直営に戻す方針を決めた。民間だと経費削減を優先して専門知識を持つスタッフを十分に確保できず、良質なサービスを提供できないと判断した。指定管理者制度などに基づく民間委託の動きは全国的に拡大しているが、不適切な図書の購入が問題化するなど批判も根強く、同市の判断は議論に一石を投じそうだ。【安味伸一、加藤栄】 同市は2016年度から、守谷中央図書館と4カ所ある公民館図書室の運営を「図書館流通センター」(東京都文京区)と県内のビルメンテナンス会社でつくる共同企業体に委託した。指定管理者制度に基づく委託期間は18年度までの3年間で、今年度の委託料は1億2652万円(図書購入費は別)。
静岡県立中央図書館(静岡市駿河区)の床に本の重さが原因とみられるひび割れが見つかり、一部を除き休館となってから4カ月以上が過ぎた。貸し出しは12月1日から市町立図書館を通じて再開される。しかし、建物の負荷を軽減させるため館外に出された約20万冊の本は当面、利用できない状態が続き、利用者から苦情が寄せられている。【松岡大地】 中央図書館には計約80万冊の蔵書があり、閲覧室に20万冊、書庫に60万冊があった。今春に閲覧室の床に複数のひび割れが見つかったため、過去5年間で利用率の低かった書庫の約20万冊の本を館外に出してスペースを作り、代わりに閲覧室にある10万冊の本を書庫に移し、重さを軽減させる作業をした。
今月1日に日本学術会議から「子どもの放射線被ばくの影響と今後の課題」という報告書が発表された。日本学術会議は我が国の人文・社会科学から理学・工学までの全分野の代表者からなる、いわば「学者の国会」。政府に対する政策提言から世論啓発までを役割としている。 報告書が対象としている東京電力福島第1原発事故については、既に多くの論文や調査結果などが蓄積されている。国連科学委員会の報告でも、放射能由来の公衆の健康リスクについて「今後もがんが自然発生率と識別可能なレベルで増加することは考えられない」と結論が出ている。 学術会議の報告でも、被ばく量はチェルノブイリ原発事故よりはるかに小さいという評価が改めて示されているが、特に不安の多い子どもへの影響に焦点を絞っている点が重要だ。「福島第1原発事故による胎児への影響はない」としており「上記のような実証的結果を得て、科学的には決着がついたと認識されている」と
山本幸三地方創生担当相(衆院福岡10区)は16日、大津市での講演後、観光やインバウンド(訪日外国人)による地方創生に関する質疑で、「一番のがんは文化学芸員だ。観光マインドが全く無く、一掃しないとだめだ」と述べた。法に基づく専門職員の存在意義を否定する発言で、波紋を広げそうだ。 講演は滋賀県が主催し、山本氏は「地方創生とは稼ぐこと」と定義して各地の優良事例を紹介した。 発言は会場からの質問への回答。山本氏は京都市の世界遺産・二条城で英語の案内表示が以前は無かったことなどを指摘した上で、「文化財のルールで火も水も使えない。花が生けられない、お茶もできない。そういうことが当然のように行われている」と述べ、学芸員を批判した。
千葉県が作成・保存する公文書を収集する県文書館が昨年、戦没者名簿や遺族台帳など第二次世界大戦の関係文書約500冊を廃棄していたことが学術団体などの調べで分かった。県は「『不要』と言い切れないものもあった」と落ち度を認めている。1952年度までに作成・取得した公文書を「歴史公文書」として文書館で保管するよう定める県の内規にも違反する運用だったという。 県文書館は2016年3月までの1年間に所蔵公文書1万177冊を廃棄した。歴史的文書や記録の保存・活用などについて研究する「日本アーカイブズ学会」などが県に確認したところ、この中には戦没者遺族台帳、復員者名簿、県内から旧満州(現中国東北部)への移民団名簿などが含まれていた。
一昨年5月に亡くなった現代を代表する叙情詩人、長田(おさだ)弘さん(1939~2015年)の全蔵書が故郷・福島市の福島県立図書館に寄贈され「長田弘文庫」として開設された。かけがえのない日常を平易な言葉で捉えた詩作はもとより、評論やエッセー、児童文学、翻訳書など幅広い活動の背景となった蔵書群は、20世紀と真摯(しんし)に向き合った第一級知識人の思索の跡を伝える貴重な資料といえる。 資料総数8519冊(自著123冊を含む)のうち和書は6914冊、洋書が1605冊。国内外の詩集や文学関係書をはじめ、芸術書や哲学書、歴史書から童話や絵本までジャンルは多岐にわたる。蔵書は、東京都内の自宅書斎に設けられた扉付き本棚と数連の移動式書架に保管されていたが、11年3月の東日本大震災以降、長田さんは親族に「受け入れてもらえるなら福島の図書館に寄贈したい」と意向を伝えており、昨年2月から搬入…
「利用者と積極対話を」 近畿6府県の公立図書館に勤務する司書向けに、文部科学省など主催の図書館研修が1月31日~2月3日、和歌山市西高松1の県立図書館で開かれた。 同省の調査によると、全国の図書館数はこの20年で1・5倍になり、勤務する司書の数も2倍以上に増えた一方、非常勤職員や民間企業など指定管理者の従業員が全体の7割を占め、正規職員の司書は減っている。図書館の人件費も国全体では微減傾向が続いており、直近の2014年度調査では初めて年間の貸し出し冊数が減少。公立図書館のあり方が変化し始めている。 基調講演した山本順一・桃山学院大教授は「今までのような貸すだけの『無料貸本屋』や民間からサービスを買い取るだけの形ではとてもインターネットと勝負できない」と指摘。「地域の中核施設としてコミュニティーを作ったり、多様な人の集まるセンターになるのは図書館しかできない」として、司書も積極的に利用者と対
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