タグ

ブックマーク / machida77.hatenadiary.jp (8)

  • 図書館と武術の史料の寄贈 - 火薬と鋼

    時折Twitterなどでも話題になる古い武術の伝書を将来どう保存するか、という話に関して。特に図書館に寄贈することを考えている人向けに自分の狭い経験と知識の範囲で書いてみる。 公共図書館で古い史料を保存・整理して情報公開できるところは限られている。 具体的には「温度・湿度変化に対応できる古文書用の保管スペースがある」「古文書を情報としても物理的な実体としても理解して扱える人材がいる」「史料を傷めないため、コピーではなく撮影できる」「古文書を電子化して公開している」といったことができる図書館であれば問題ない(電子化はあれば理想的だがなくてもよい)。 要するに資料の保存と利用の両方を考慮した体制や予算、そして専門家が揃っている図書館が求められる。 となると規模の大きな公共図書館国会図書館、その種の分野の史料を扱う一部の大学図書館ということになる。 国会図書館への寄贈は条件が公開されている。寄

    図書館と武術の史料の寄贈 - 火薬と鋼
  • 図書館委託のネック「引継ぎ」 - 火薬と鋼

    図書館業務を民間会社が受託する場合、引継ぎでトラブルが生じることがある。また、他社からの引継ぎでもトラブルが起きることがある。 私はどういうわけか引継ぎでトラブルを抱えた図書館委託の仕事の尻拭い役として投入された経験が多く、複数の企業での大学図書館・公共図書館委託の実態を知っている。 一体どのような原因によってどのような問題が起きるのか、一般化は難しいが事例を書いてみよう。ただし、色々と情報を伏せているので、分かりにくいかもしれない。 委託契約時の問題 契約時に問題となるのは、図書館の業務内容そのものに理解のない人間ばかり関わる事である。 図書館業務の外部委託の仕様書がどのように決まるのか、皆さんは経験したことがあるだろうか。私は何度か立ち会ったが、受託業者が持ち込んだテンプレをそのまま仕様書にしてしまうパターンがある。個々の事情とか一切無視。既存の図書館職員とのやり取りも何もないのだ(も

    図書館委託のネック「引継ぎ」 - 火薬と鋼
    MIchimura
    MIchimura 2012/08/28
    かなしいほどよく分かる。けどこれって委託の問題なんかなあ。もっと根深くて、普遍的で、救いようのない次元の問題なような気がしてる。
  • 管理栄養士養成課程と大学図書館 - 火薬と鋼

    かつて、私は複数の管理栄養士養成課程のある大学の図書館で委託として働いたことがある。普通の大学図書館とは少し異なるところがあり、そこから管理栄養士養成課程と大学図書館のかかわりについて思うところがあるので、書いてみよう。 管理栄養士のための蔵書 一般に、管理栄養士のテキストとして出版されているというのは、ほとんど決まっている。これは、図書館情報学のテキストが特定の出版社のシリーズものばかりというのと近い。しかし、実際には講義で指定される参考図書や教科書はもっと幅広い。これは、いくつかの医学分野のや、社会、教育に関する領域は栄養士向けではないが多く出版されているからだ。 また、調理実習が多いため一般向けの料理もかなり所蔵している。もちろん特定の疾患を抱えた人向けの料理もある。料理については、かなり公共図書館に近いところがある。料理は結構古いものでも学生に利用される。 逆に、

    管理栄養士養成課程と大学図書館 - 火薬と鋼
  • 学校図書館と検閲の事例 (1) (追記あり) - 火薬と鋼

    化け物を殺すのは人だけ - 北沢かえるの働けば自由になる日記 小学校の図書室から『ぼくらの七日間戦争』をはじめとした『ぼくら』シリーズが撤去されたという話があった。 この話題に関連して、過去の学校図書館と検閲の事例を紹介しよう。 アメリカの事例を出そうと思ったが、情報整理に時間がかかるので日の例から。 参考文献は日図書館協会図書館の自由に関する調査委員会編『学校図書館図書館の自由』日図書館協会(図書館と自由 第5集) 日の事例 愛知県立高校図書館 学校図書館は、教育的配慮に基づいた自主規制が行われる可能性をもつ。学校図書館においても幅広い資料を提供することで生徒が多様な情報を入手できるようにすべきであるが、実際にはそうはなっていない。 例えば、全国学校図書館協議会|全国SLA制定の各種基準|全国学校図書館協議会図書選定基準を基準としてもかなり一面的・一方的な情報の統制は可能だ。

    学校図書館と検閲の事例 (1) (追記あり) - 火薬と鋼
  • 大学教員は学生と変わらないところがある - 火薬と鋼

    大学で委員会など会議の場に出ると、大学の教授も学生と大差ないところがあると思い知る。これは、複数の大学の会議で実際にあったことである。 ・皆が後ろの席に座ろうとする。 ・出欠をとった後にいなくなる人がいる。 ・弁当が出る会議には出席するが、そうではない会議には出ない人がいる。 ・雑談がうるさくてなかなか会議が始められない事がある。 ・携帯電話をずっと操作している人がいる。 ・寝ている人がいる。 こうして見ると講義中の学生とあまり差はない。しかもいい歳したおっさんが中心であるというのに。ああいった様子を見ていると「最近の学生は…」と学生の授業態度を云々する教授の発言は釈然としない。

    大学教員は学生と変わらないところがある - 火薬と鋼
    MIchimura
    MIchimura 2010/10/20
    国会議員だってあるもんよ。
  • 知られざる大学図書館と大学研究室資料の関係 - 火薬と鋼

    図書館と研究室所蔵資料の微妙なお話 - Togetter Twitterでこんなやり取りがあったそうな。 この手の件については、過去の経験で色々と知っているので簡単に書いてみよう。 大学の研究室のはどう買うの? 大学には大体先生個人の、あるいは専攻の研究室があり、先生や院生等がそこを根城にしている。 研究に使う資料類もそこにあり、多くは大学が出している研究費から購入される。 しかしどういうルートで買い、どのように会計に書類を出すかは大学によってパターンが分かれる。 一つは研究室の人間(普通は教員)が書店や出版社から買い、請求書や書類を経理に回すもの。 もう一つは図書館を経由するものだ。 予算によってこうした手続きが混在していることもある。 案外知られていないが、大学で購入するは、例え図書館に置くものでなくとも大学図書館が管理していることが多い。 これは、図書館が書籍雑誌の管理に適したシ

    知られざる大学図書館と大学研究室資料の関係 - 火薬と鋼
  • 大学図書館の委託について、覚え書き (追記あり) - 火薬と鋼

    最近Webで大学図書館業務の委託についての話を読んだ*1。 自分もそうした委託の業者で働いたことがあるし、交流もあるのでいくつか知っていることがある。 具体的には丸善、紀伊国屋、TRC、ナカバヤシ、埼玉福祉会の仕事は関わったか隣で見ているか、とにかく一部知っている。 業者側の話はあまり語られないので、ここで少し自分が知っていることをまとめておこう。 あまりまとまりが良くない上に経験に限度があるが、何かの参考になるかもしれない。 契約について 図書館業務を請負で行う会社は、おおむね図書館用品や書籍販売などいくつかの業務で図書館とつながりを持っている(そうではない会社もある)。 最も、図書館業務の営業と用品・書籍販売の営業は違う部署であることが普通だけど。 大学側は、つながりの深い業者とやり取りをするか、複数業者で競争入札を行う。 価格だけではなく、「大学とのつながり」が重視される例をいくつも

    大学図書館の委託について、覚え書き (追記あり) - 火薬と鋼
  • 図書館業界の腐りゆく状況 - 火薬と鋼

    たまに趣味と関係ないことを書こう。 私は図書館業界にどっぷり浸かって生きている。大学院の研究も非常勤講師の仕事図書館関係だった。 その後、数多の図書館業務を知り、多くの図書館職員との交流をしている。 現在の図書館業界の労働事情はひどいもので、基的に公共図書館も大学図書館もアルバイト、契約社員といった非正規の人員によって仕事が回っている。しかも入札金額のダンピングがひどく、こうした人員の待遇はスキルがあっても大して良くはない。 この手の図書館派遣・請負業務(アウトソーシング業)を行っている会社の労働環境も悪く、どんどん辞める人間がいる。残業代なし、退職金なし、安い給料で図書館を生きたまま腐らせるような仕事をしているのだから当然だ。 図書館の非正規の職員…特に派遣や請負のスタッフは長持ちしない。4年と続かない*1。 パート分の収入で良い、と割り切った主婦や、他に転職のあてがない人だけは結構

    図書館業界の腐りゆく状況 - 火薬と鋼
  • 1