身ひとつ、素手のみで切り立った岩壁に挑み、芸術的なクライミングスタイルで見る者を魅了し続けるプロフリークライマーの平山ユージさん。日本人として初めてワールドカップ総合優勝を果たしたほか、1000メートルの岩壁をわずか2時間37分で登りきって世界を驚嘆させるなど、数々の功績を打ち立ててきたこの世界のパイオニアだが、50歳を迎えた今、自身のキャリアデザインをどのようにイメージしているのだろうか──? 僕はもともと子供の頃から登山が趣味で、クライミングはその延長線上にあるものでした。最初は筑波山や高尾山、富士山などを登っていましたが、そのうち海外のもっと高い山にチャレンジしたいと思うようになりました。すると自ずと岩登りの技術が必要になるわけです。 そこで高専時代はワンダーフォーゲル部に入部。ある日、部活の仲間と一緒に登山用品店へ出掛けた際、そのショップの店主が主宰しているクライミングスクールに誘