当たり前の対策と点検を怠ったすえ、10年近くにわたり約900万件もの個人情報が不正に流出する事態を防げなかった。一つの子会社の不祥事では片付けられず、親会社のNTT西日本、さらにはNTTグループ全体の責任と信頼が厳しく問われる。 問題が起きたのはNTTビジネスソリューションズ(大阪市)で、コールセンター向けシステムの保守運用を手がけている。そこで働く元派遣社員が、顧客情報が保存されたコンピューターから、住所や氏名、電話番号などを不正に持ち出していた。 「名簿屋」に売っていたとみられ、警察が調べている。捜査を尽くし、しかるべき刑事責任を問うべきだ。 見過ごせないのは、情報システムを担う企業としての目に余るずさんさだ。古典的ともいえる手法での情報持ち出しを、長年にわたり許してしまっていたことに驚く。 会社側の説明によると、元派遣社員は作業用端末に名簿をダウンロードし、さらに個人のUSBメモリー
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