マイナ保険証の読み取り機。他人の情報とひも付けられるなど、トラブルが相次いでいる=東京都品川区で、中川友希撮影 マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」を巡る混乱が続いている。医療現場を取材すると、課題が次々と浮かんで いて、「誰のための、何のための医療サービスなのか」と疑問を抱かざるを得ない。 マイナ保険証の情報を読み取り、健康保険への加入の有無などを確認できる「オンライン資格確認システム」の導入が今年4月、医療機関に原則義務化された。全国で導入が進むのに伴い、読み取り機にマイナ保険証をかざしても「無効」などと表示されるトラブルが続発した。 原因として、システムや機器のエラーのほか、マイナンバーとのひも付け作業の遅れによる情報の未反映がある。問題なのは、他人の情報が誤ってひも付けられ、処方された薬など個人情報が閲覧できるようになっていたことだ。