日本で暮らす難民や仮放免中の人たちの現状を伝え、交流するためのチャリティイベントとして開かれた「難民・移民フェス」で、演奏が披露されたアフリカの太鼓=埼玉県川口市で2022年11月23日、和田大典撮影 「難民より日本人を優先」なのか。困っている人を助けることがなぜいけないことなのか。国籍はいつから人権を上回る価値になったのか。 国際人権法が専門で、難民審査参与員の経験もある、明治学院大学の阿部浩己教授は、力が弱まっている国家が自らの存在を国民に対して強調する必要に迫られているからだ、と言う。【聞き手・須藤孝】 ◇ ◇ ◇ 在留資格は人権より大事? ――なぜ外国人であることが、助けない理由になるのでしょうか。 阿部氏 人間を国民と外国人に分ける考えがベースにあります。 日本では、在留資格がなければ外国籍の人は合法的に滞在できません。在留資格の範囲内でしか活動できず、それが当然だとされています