東京電力福島第1原発の処理水を海洋放出することへの不信や不安に、政府は誠実に向き合わなければならない。 放出計画について、国際原子力機関(IAEA)が「国際的な安全基準に合致している」とする報告書を公表した。 専門家らで構成される「核の番人」が出した結論である。夏ごろの放出開始を目指す政府は、「国際社会の理解を醸成する上で重要」と評価している。 第1原発では、溶融した核燃料に雨や地下水が触れ、放射能を帯びた汚染水が、毎日90トンずつ発生している。処理した後、敷地内に設置したタンクで保管しているが、東電は「来年2~6月ごろ満杯になる」と予測する。このままでは、廃炉のための作業に支障が出るという。 処理水は、専用の設備で大半の放射性物質を取り除いたものだが、トリチウムだけは残る。このため、放出する際は海水で薄め、濃度を世界保健機関(WHO)が定める飲料水基準の7分の1に抑える計画だ。 IAEA
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