岸田政権が「異次元の少子化対策」を打ち出す中、地方自治体が相次いで、新年度予算案に「結婚支援」を盛り込んだ。「官製婚活」の問題に詳しい富山大非常勤講師の斉藤正美さん(社会学)は「幸せのお手伝い」を自任する施策によって「置き去り」にされる住民の存在に無自覚だと指摘する。【聞き手・朝比奈由佳】 多様な家族観の排除に ――「官製婚活」はどのように広まったのか。 第2次安倍政権が2013年に結婚と出産を促進する取り組みを提案し、交付金をつけたことで「官製婚活」が広がる契機になった。岸田政権が異次元の少子化対策と言っているが、実際には経済対策だと見ている。行政はお金を出し、実際に事業を行うのは委託された結婚情報産業だ。新型コロナウイルス禍などで経営が厳しくなった業界への支援に、私たちの税金が回っているということだ。
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