軍事転用可能な装置を不正輸出したとして外為法違反に問われた化学機械製造会社「大川原化工機(おおかわらかこうき)」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された問題で、起訴の1週間前に警視庁公安部と東京地検が打ち合わせをした際の記録を毎日新聞が入手した。記録によると、起訴した検事は、公安部に対して捜査不足の可能性を念頭に「起訴できない」「不安になってきた」と疑念を伝えていた。 違法な逮捕・起訴があったとして同社が起こした国家賠償訴訟の証人尋問で、この検事は公安部の捜査に「疑いは持たなかった」と記録と矛盾する証言をしている。同社側は訴訟で「検事が不利な証拠を確認せずに起訴した」と主張しており、検事がこれを否定するため事実と異なる証言をした疑いがある。