医師が手術前の検査結果の確認を怠ったため、直腸がんではなかったのに必要のない肛門(こうもん)摘出手術を受けたとして、宮崎市内の自営業の男性(53)が20日までに、宮崎大に対し、約3500万円の損害賠償を求める訴えを宮崎地裁に起こした。 訴状によると、男性は3月、宮崎大病院に入院。医師は検査でがんが確認されていないのに「がんが肛門のすぐ上にあるので、温存は避け、全摘手術するしかない」と誤診し、直腸と肛門の摘出手術をした。 手術後の検査で、摘出した直腸と肛門からがんは確認されず、医師は男性に「残念だ。がんというはっきりした診断は出ていなかったが、医師によっても診断結果に意見が分かれるところだ」と説明。男性は人工肛門による生活で、不便を強いられているという。 病院側は「医師から事実関係を確認し、対応を検討する」としている。