【愛媛】松山市南部、里山に囲まれた久谷地区。ここに息づくお遍路をもてなす伝統や古民家、古ダヌキ「隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)」をまつる社などを現地でとらえ直し、地域の活性化につなげる「フィールドミュージアムアカデミー久谷カレッジ」事業が始まった。地元の住民団体と愛媛大学、市が地区を「フィールドミュージアム(屋根のない博物館)」と位置づけ、大学生らの視点で「くたに学」として再評価を目指す。 活動初日の7日は住民や大学生、市職員ら計約40人が、地区の南にそびえる久万高原町の三坂峠(標高720メートル)から、地区内にある旧遍路宿「坂本屋」までの山道約3キロを歩いて下った。砥部方面からの幹線道路が19世紀末にできるまで、米の輸送や巡礼でにぎわった街道で、今も歩き遍路が行き交う。 道すがら、坂本屋運営委員会の菅野肇会長(64)ら3人が、行き倒れたお遍路のお墓や、旅人の安全を見守る馬頭観音などのスポッ