子猫を抱く少女の名前は阿部静子さん。 静子さんの外見は18歳の夏に、大きく変わってしまいました。 近所の子どもたちはその姿を見て「赤鬼」とはやし立てました。夫の親戚からは離婚も迫られました。 傷ついた静子さんの心に変化が訪れたのは、それから19年後。きっかけは意外な場所での出会いでした。 (広島放送局記者 大石理恵) 第2次世界大戦中の1945年8月。18歳の静子さんは、出征した夫の母親と広島で暮らしていました。 ある日、勤労奉仕をするよう集落に要請があり、静子さんも参加することになりました。 朝から広島市平塚町(現中区)で、家の解体にあたりました。空襲による火災の広がりを防ぐための「建物疎開」の作業でした。 屋根の上にあがり、瓦を重ねて隣の人へ渡していた時、静子さんは右側から強烈な熱線と爆風を受け、吹き飛ばされました。人類史上、初めて投下された原子爆弾でした。 静子さんがいたのは爆心地か
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