知っている人は減り続けているけれど、僕はもともとライトノベルを書いていた。電撃文庫の、第四回の受賞者だ。告白しておこう。ライトノベルに興味があったから、こ...知っている人は減り続けているけれど、僕はもともとライトノベルを書いていた。 電撃文庫の、第四回の受賞者だ。 告白しておこう。 ライトノベルに興味があったから、この賞を選んだわけじゃない。 目当ては「賞金」だった。 当時、僕には好きな女の子がいて、彼女と暮らしたかった。 本当にたくさんの、ろくでもない異性関係を重ねてきたけれど、 ずっと一緒にいたいと思ったのは彼女だけだった。 ところが僕にはお金がなく(預金通帳の残高は378円くらいだったと思う)、 部屋を借りるためには、敷金礼金が必要だった。 それでまあ、小説でちょっと稼ぐかと思い、作品を送ったのが電撃文庫の賞だった。 当時の僕は、電撃文庫も、スニーカー文庫も知