市街地近くか、高台か―。陸前高田市が6日、市議会本会議に関連議案を提案した市庁舎の再建場所をめぐり、市民の意見は割れている。2013年に「東日本大震災の津波浸水区域外で高台」と方針を決めていた市が示した高田小は、紛れもない浸水域。「商業者は生き残りを懸けて決断した」「同僚を目の前でなくした過ちを忘れたのか」―。震災から間もなく6年、国の支援を受けられるタイムリミットが迫る中、子孫にどんなまちを残すのか、議論の行方が注目される。 かさ上げした中心市街地には、被災後仮設店舗で営業してきた商業者が結集し、100~120店舗の出店が見込まれている。市商工会の伊東孝会長(63)は「多くの人の考えで決めた復興計画だ。市役所を含めた一体的なまちづくりでにぎわいを生み出したい」と可決を願う。 昨年11月から28回開いた市長と市民の懇談会でも、運転免許証の返納を考え、公共交通を重視したまちづくりを求める高齢