◆ ◆ ◆ 危機感と調子が連動している ――13年いたB1からA級へ。どんな感慨をお持ちですか。 山崎 「やったー」という気持ちはないですね。去年はB1で3勝9敗で、本来ならB2に落ちてしまっているような成績ですから。 ――同じ3勝9敗の棋士が3人いて、いわゆる「頭ハネ」の順位の関係で山崎さんが降級を免れたと。 山崎 そうです。しかも3勝したうちのひとつは相手が五手詰めを見逃していたからで、実質負けです。昨年度は中盤くらいから完敗するような将棋が続いて、はっきり力が足りないと思う内容でした。 ――それが今期は初戦から5連勝で、最終局を待たずに昇級を決めました。復調のきっかけはなんですか。 山崎 私は危機感と調子が連動しているところがあります。今期は降級の可能性が高かったので、1局目からかなり集中して臨めました。それが降級の可能性がなくなったとたん、知らず知らずに負け始めまして……。 11月