将棋界の話題を取り上げ好評だった「王手報知」が再スタートする。初手は今期から順位戦A級で戦っている中村太地八段。前年度A級昇級を決めた中村だが、2月から7月まで8連敗。今年度成績は2勝7敗。A級棋士としてもがく現在地を聞いた。 8連敗。2月から7月までの5か月間、中村は一度も勝てなかった。こんなことは棋士人生で初めてだった。「もう一生勝てないかもしれないとも結構思います」。静かに本音が落ちる。「A級に上がれたって事実があったから、今、自分を保てているのかもしれないですね」。正と負の感情が混ざり合い、ぎりぎりで打ち消し合っているかのような澄んだ声で、そう続けた。 3月、誰にも邪魔できない喜びの中にいた。プロ入り後、16年を費やして順位戦B級1組までたどり着いた中村は、「鬼のすみか」とも呼ばれるそこを1期で駆け抜け、トップ棋士10人が名人挑戦を目指し、しのぎを削るA級への昇級を決めた。 12歳
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