ウィキリークス問題は、いまだ世界のあちこちに波紋を呼んでいるが、「情報流出」「暴露」といえば、日本でも気になる事件があった。 先月末に第三書館から出版された「流出『公安テロ情報』全データ」がそれである。警視庁公安部から流出した「テロ情報」を満載した本だが、そこでは公安がどういう人物を「テロ」操作対象としているかを、写真や個人情報を一切隠さず掲載している。そしてそのほとんどが、日本にいるイスラーム教徒である。 本が出たとたんに私がしたことは、真っ先に知った名前はないか、探すことだった。私の勤める東京外国語大学には、外国人留学生が多く学んでいるからである。二年前に政府が「留学生30万人計画」を打ち出して以降は、留学生の増加は一層顕著だ。そうした学生が困ったことになってはいないか、知り合いに嫌疑がかかっていないか・・・・。 これまでもイスラーム教徒の学生が警察に疑われているのでは、と思われる例は