東京電力は19日、東日本大震災が発生した直後、福島第一原子力発電所4号機の核燃料一時貯蔵プールに、別の二つのプールから大量の水が流れ込んで危機を脱していた可能性が高いと正式に発表した。 二つのプールの水位が震災発生当時より4・6メートル下がっていることが確認できたためで、東電は同日、二つのプールに注水を開始した。 4号機燃料プールに沈められた燃料からは、計算上、数日でプールが沸騰するほどの熱が出ていたにもかかわらず、3月22日に注水を開始するまで十分な水が残っていたため、燃料の溶融が起きずに済んだ。 東電が計器を復旧させたところ、発生当時は満水だった「原子炉ウェル」と「機器仮置プール」という二つのプールから、約1000トンの水がなくなっていることが判明。地震の揺れか水素爆発による衝撃で、プールの間を仕切っていた鉄板がずれて燃料プール側に十分な水が流れ込んだとみられることがわかった。