東京海洋大の吉崎悟朗教授らは、冷凍したニジマスから精子や卵子のもとになる細胞を取り出し、同じサケ科のヤマメに移植して子を産ませる実験に成功した。絶滅危惧種の魚を丸ごと冷凍保存すれば、種の保全に役立つという。実験では、セ氏マイナス80度に冷凍したニジマスを解凍し、精巣から精子や卵子のもとになる生殖幹細胞を取り出した。この細胞をヤマメの稚魚の腹に注射すると、稚魚
![冷凍魚の細胞から子、絶滅危惧種保全に一役 東京海洋大 - 日本経済新聞](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0e3c5e614e8acdad43d69cde8f3e93836e869a85/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2F.resources%2Fk-components%2Frectangle.rev-d54ea30.png)
高級魚として知られるサケの一種サクラマスの稚魚に、ドコサヘキサエン酸(DHA)を混ぜたエサを与えて故郷の川に帰ってくる確率を高めることに、北海道大や岩手大などが成功した。3、4年かけて実用化し、漁獲量の増加につなげる。 食べさせたのは、マウスの実験で記憶力を高める効果があったDHAや、αリノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)。青魚やエゴマに多く含まれる。 北大の上田宏特任教授(魚類生理学)らは2013年5月、これらを含む特殊なエサを1歳半の稚魚1500匹に6日間かけて与えた後、岩手県野田村の安家(あっか)川河口から数百メートル上流で放流。翌年8~10月に識別用のタグを腹に埋め込んだサクラマスが5匹、帰ってきた。14年2月の実験でも、1274匹中の7匹が今年9月までに姿を見せた。 県が安家川で1996~04年… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この
「カラスと対話するドローン」の開発プロジェクトが始動しました。カラスをだまし、対話して誘導することで、農作物の被害や都市部での問題解決につながるとしています。開発は総合研究大学院大学学融合推進センターの塚原さんとシンガポール国立大学IDMIの末田さん。クラウドファンディングサイト「academist」で開発資金を募っています。 カラスと対話するドローンを作りたい! 塚原さんと末田さんは、録音したカラスの鳴き声をカラスの群れに向けて流す実験を行い、カラスを逃避させることに成功。カラス忌避装置の特許を取得しました。しかし、その装置は百発百中のものではなく、状況によってはまったく反応が得られないこともありました。そこで、より本物に近づけてカラスをだますために、「カラスと対話するドローン」を開発する同プロジェクトが始動しました。 プロジェクトでは「カラスと対話するドローン」開発の第一歩として、「カ
中国の科学者が「Crispr-Cas9」と呼ばれるゲノム編集技術を犬に適用。実験対象となったビーグル犬の筋肉量を2倍に増やすことに成功した。 他の哺乳類に比べ、犬は生理学的かつ解剖学的に(意外にも)人間に近いとされ、「犬でやれたのなら、近い将来は人間にも・・・」という懸念も囁かれ始めた。 ●"First Gene-Edited Dogs Reported in China" MIT Technology Review, Oct 19, 2015 Crispr-Cas9とは何か? 上記記事によれば、同実験を行ったのは中国の広州・生物医学健康研究所(Guangzhou Institutes of Biomedicine and Health)の研究チーム。彼らはCrispr-Cas9でビーグル犬のゲノム(遺伝情報)を編集し、「ミオスタチン」と呼ばれるタンパク質を作り出す遺伝子を削除した。 ミオ
理工学部教授(応用化学科)小松 晃之らの開発した「イヌ用人工血液」に関する研究成果をプレスリリースしました。 ペット超大国の日本では、大量出血した動物や貧血の動物を治療するための“輸血”の頻度も年々増加傾向にありますが、動物医療の現場では未だ十分な体制が整っていないのが現状です。 小松らの研究グループは、酸素輸送タンパク質であるヘモグロビンを遺伝子組換えイヌ血清アルブミンで包み込んだ構造の(ヘモグロビン-遺伝子組換えイヌ血清アルブミン)クラスター(製剤名:ヘモアクト-C™)を合成し、それがイヌ用人工酸素運搬体(赤血球代替物)として機能することを明らかにしました。動物医療の現場が抱える深刻な“輸血液確保”の問題を一気に解決する革新的発明であり、動物の輸血療法に大きな貢献をもたらすものと期待されます。 本研究成果は10月22~23日にかけて熊本大学で開催される「第22回日本血液代替物学会年次大
要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チームの加藤忠史チームリーダー、笠原和起副チームリーダーらの共同研究グループ※は、うつ病・躁うつ病を伴う遺伝病の原因遺伝子の変異マウスが、自発的なうつ状態を示すことを発見しました。さらに、このうつ状態の原因が脳内の視床室傍核[1]という部位のミトコンドリア機能障害にあることを突き止めました。 精神疾患動態研究チームは、ミトコンドリア病[2]という難病の患者がうつ病や躁うつ病を示すことに着目し、その原因遺伝子の変異が神経のみで働くモデルマウスを作成しました。2006年に、日内リズムの異常や性周期[3]に伴う行動量の変化を報告した際、2週間ほど活動低下が続く場合があることに気づきました。 共同研究グループは今回、この活動低下を詳細に分析し、この状態が平均すると半年に1回見られ、うつ病の診断基準を満たす(興味喪失、睡眠障害、食欲の変
しばしば線路へシカが侵入し、事故などが発生しています。なぜシカは線路へ入るのでしょうか。その理由は「鉄分補給」という研究成果が出ています。 そもそもなぜシカは、線路へ侵入するのか? しばしば線路へシカが侵入し、列車の遅延を招いたり、場合によっては事故に繋がることもあります。 線路へのシカ侵入を防止するため、ライオンの糞などの成分を線路へ散布するといった対策が行われてきましたが、雨で流されてしまったり、シカが慣れてしまうなど、決定打にはなっていませんでした。JR東海では、車両の正面下部にクッションを設置することで、衝突したシカを線路外へ押し出し事故になることを防ぐ、といった取組みも行われています。 そもそもなぜシカは、線路へ侵入するのでしょうか。2015年10月8日(木)、日鐵住金建材がその“なぜ”に注目したシカ対策システムの販売を開始しました。 線路へ侵入しているシカと、鉄分を含んだシカ専
地球の人口は年々増え続けており、2050年には90億人に到達すると予想されていて、「90億人分の食料をどのように供給するのか」が問題となっていますが、そんな食糧問題を解決する方法の一つとして未来の肉となる可能性を秘めた「人工肉」の作り方をまとめたムービーが「The Meat of the Future: How Lab-Grown Meat Is Made」です。 The Meat of the Future: How Lab-Grown Meat Is Made - YouTube 未来では、「肉」は一体どのように作られるのでしょうか? 研究室で人工的に作られた肉が今よりも普及することでしょう。 牛を解体して売るお肉屋さんは、将来的にいなくなるかもしれません。 2013年には初めて人工肉を使ったバーガーの試食会が行われました。 人工肉の製造と生きた牛の飼育を比べると、人工肉は草や水などの
要旨 理化学研究所脳科学総合研究センター細胞機能探索技術開発チームの宮脇敦史チームリーダー、濱裕専門職研究員、並木香奈研究員らの共同研究グループ※は、生体組織を抗体や色素で染色し微細構造を保ちながら透明化する新しい技術を確立しました。この技術を使って、アルツハイマー病[1]モデルマウスの加齢脳やアルツハイマー病患者の死後脳におけるアミロイド斑[2]を、異なる空間解像度で定量的に観察することが可能となりました。 2011年、理研の細胞機能探索技術開発チームは、生物サンプルを透明にする尿素含有試薬ScaleA2を開発し、サンプルを傷つけることなく表面から数ミリの深部を高精細に観察できる技術Scaleを開発しました注1)。しかしScaleA2は、処理時間が長く組織が膨潤してしまうなどの問題点がありました。そこで、共同研究チームは、尿素とソルビトール[3]を主成分とする透明化試薬ScaleSを開発
山形県内水面水産試験場(米沢市)が、シロザケを淡水で養殖する技術開発に取り組んでいる。身に脂が乗る生殖機能の発達前まで育て、刺し身で味わう県独自のサケとして特産化を目指す。 シロザケは川でふ化した後、4年ほど海を回遊、成魚となって母川に戻る。試験場は2011年、稚魚を早く育てる研究を始めた。その際、一部を試験的に淡水で飼育し続けたところ、成長することが分かった。 13年秋、2000粒の卵で本格的な養殖研究に着手した。水槽の大きさや飼育数の密度の試行錯誤を繰り返し、現在、約500匹が体長30センチ、300グラムほどに育った。シロザケ特有の背が青く、腹は白い体色で、魚粉や米ぬかなどを配合した固形の餌を与えている。 先月、養殖業者らを対象に行った刺し身の試食会では「脂が乗り、くせがない味」と好評だった。17年度をめどに、生存率を9割まで高め、2年で1~2キロのサイズに育てる技術を確立する計
マウスES細胞を分化させることで胃の組織細胞を作製する技術を開発 ヒスタミン刺激に応答して胃酸を分泌し、消化酵素などを分泌する胃の組織細胞を作製 創薬、安全性試験、病態モデル研究への応用に期待 国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)創薬基盤研究部門【研究部門長 織田 雅直】幹細胞工学研究グループ 栗崎 晃 上級主任研究員、二宮 直登 研究員、浅島 誠 産総研名誉フェローは、国立大学法人 筑波大学【学長 永田 恭介】大学院生 野口 隆明、関根 麻莉、王 碧昭 教授と学校法人 埼玉医科大学【理事長 丸木 清之】駒崎 伸二 准教授と、さまざまな細胞に分化する多能性幹細胞であるマウスES細胞から、試験管内で胃の組織を丸ごと分化させる培養技術を開発した。この胃組織は消化酵素を分泌し、ヒスタミン刺激に応答して胃酸を分泌した。さらに、メネトリエ病(胃巨大皺壁症
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く