【ダボス(スイス東部)=北松円香】スイス東部のダボスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で、米ユーラシア・グループ社長で国際政治学者のイアン・ブレマー氏は17日、物価の高騰など構造的な変化がグローバル化の後退を引き起こしていると指摘した。 「グローバル化、進展か後退か」と題したセッションで発言した。司会を務めたブレマー氏は構造的な変化として、国際機関の機能不全による地政学的な状況の悪化を挙げた。国家資本主義を掲げる中国や内政優先姿勢を強める米国、「ならず者国家」として振る舞うロシアといった国々の対立にも触れた。 物価の高騰を受け、企業が低コストの地域に生産拠点を移しても収益を拡大するのが難しくなったことも変化の一つと指摘した。 パネリストの一人で英オックスフォード大学教授のナイレ・ウッズ氏は「グローバル化を支える基盤が失われつつある」と話した。 グローバル化への市