フランスの高級ブランド、エルメス・インターナショナルのトマス最高経営責任者(CEO)は、今後半年について明るい見通しを抱いておらず、その理由として最大市場である日本の景気回復の遅れを指摘した。 イタリアのミラノで旗艦店を開設した同CEOは23日までに同地で電話インタビューに応じ、「2010年になる前にトンネルの出口の明かりが見えるとは考えていない」と語った。世界的金融危機は「まだたっぷり1年は続くだろう。もっと続くかもしれない」と述べ、世界経済について「まったく楽観していない」と発言した。 同CEOは同社にとって重要な市場である日本について「経済はよい状態になく、われわれは皆、それを感じている」と述べた。エルメスの直営店は堅調なものの、手元資金を温存したい百貨店が注文を減らしているという。日本はエルメスの昨年の売り上げ17億6000万ドル(約1600億円)の22%を占めている。(ブルームバ