責められるべきは、ネット上に流れたデマを無批判に報道するメディアの姿勢だと語る中川淳一郎氏イギリスのEU離脱をめぐる国民投票や米大統領選挙など政治の舞台も含め、2016年は世界中に多くのデマが撒き散らされた一年だった。日本でも、ネットで拡散されたデマに踊らされた人々による炎上現象は少なくない。 そんな「ネット愚民」にならないためには、玉石混淆(ぎょくせきこんこう)の情報たちとどう向き合えばいいのか? 『ウェブはバカと暇人のもの』など多くの著書を持つネットニュース編集者、中川淳一郎氏にヒントを訊(き)いた――。 *** ―まず、2016年のデマ騒動で印象的だったものはなんですか? 中川 熊本地震関連のデマが多かったですが、その中のひとつに産経ニュースの報道がありました。6月15日、舛添前知事の辞任に関して東京でニュース番組の街頭インタビューに応じた女性が、4月に被災地で現場レポートをしていた