政府が検討を進める次期日銀総裁人事で、黒田東彦(はるひこ)アジア開発銀行総裁(68)の起用が有力となった。政府・日銀が掲げる物価目標2%の達成には、国際金融に精通した人物が不可欠で、財務省で国際金融を統括する財務官を3年にわたり務めた黒田氏が適任だとする流れが強まった。政府は今月下旬に予定する安倍晋三首相の訪米前に同意人事案を国会に提示する方針で、野党の反応を見極めながら最終判断する。 黒田氏には当初、財務省OBへの野党の反発が予想されることや、アジア開発銀総裁の現職にあることから、政府内で起用への慎重意見が強かった。しかし民主党が5日に財務省OBの起用を排除しない方針を示したことを受け、過半数割れする参院で一部野党の協力が得られるとの見方が広がった。 首相が同意人事で連携を模索するみんなの党の江田憲司幹事長も8日の衆院予算委員会で「財務省の主計官僚や税務官僚で偉くなった人が務まる商売では