朝鮮人の立場から植民地支配責任の問題について論じるブログ。8月14日早朝にNHKで放映された「フクシマを歩いて 徐京植:私にとっての"3.11"」を観た。90年代以来の徐京植の批判的言論から多くを学んできたつもりの者として、とても正視に堪えなかった。以下に思いついたものを摘記しておきたい。 第一にプリーモ・レーヴィの誤用について。徐はなぜ震災発生後に韓国に避難しなかったのかについて、次のように語る。 「私自身も韓国にいる友人から、大丈夫か、とか、あるいは一刻も早く韓国に逃げて来いというような連絡を受けました。だけどそうしなかった。そのことを私は、自分はなぜここを動かないんだろうということを考えたときに、繰り返し思い出したのはヨーロッパのユダヤ人、ナチスによるユダヤ人絶滅政策がひたひたと迫っているにもかかわらず〔中略〕なぜ動かなかったんだということを、わかるようでわからない問題だったんだけ