北沢俊美防衛相は25日の防衛省災害対策本部会議で、東日本大震災の被災地に派遣した自衛隊について「10万人態勢をどの辺から減勢していくかという検討に入ってもらってもいいのではないか」と述べ、10万人態勢の縮小検討を同省幹部に指示した。 北沢氏は「本来任務が少し心配になってきている」と、本土防衛や別の災害派遣への備えも必要との認識を示した。同省は被災地の一部市町村と態勢縮小に向けた調整を開始。民間輸送力が回復してきているとして艦船や航空機から撤収を始め、大型連休前に10万人を切る見通し。ただ、事故対応が続く東京電力福島第一原発の周辺など、陸上自衛隊を減らせない地域もあるという。 自衛隊は菅直人首相の指示を受け、先月18日から陸海空10万人態勢で生活支援や行方不明者の捜索を実施。25日現在の派遣規模は陸海空合わせて10万6250人、航空機499機、艦船51隻にのぼる。