公明党が、元国土交通相で平成21年の衆院選で落選した冬柴鉄三元幹事長(党常任顧問)を引退させる方針を固めたことが31日、わかった。冬柴氏が選挙地盤としてきた衆院兵庫8区(尼崎市)には、官僚出身の新人を擁立する方向で調整している。 複数の公明関係筋によると、党執行部は、冬柴氏が75歳と高齢なことなどから「引退は世代交代を進め党勢を強化するため」と判断したという。 党執行部は、選挙制度の抜本改革を視野に、従来のような自民党との関係ばかりを優先させる路線を改め、他党と均等に距離を保ち、政局・政策のキャスチングボートを握る立ち位置を模索。この方針転換が冬柴氏の引退につながったとの見方が強い。 冬柴氏は幹事長時代、神崎武法元代表とともに平成11年の連立与党入りを決定。自民党の野中広務元幹事長や山崎拓元副総裁らとともに自公の関係強化に努め、時に「自民党幹部よりも自民党寄り」と揶(や)揄(ゆ)された。そ