大阪市の入れ墨調査に対する回答拒否を理由に戒告処分を受けた市交通局職員の安田匡(ただす)さん(56)が、処分の取り消しなどを求めた2件の訴訟の判決が17日、大阪地裁であった。中垣内(なかがいと)健治裁判長は入れ墨調査について「必要で正当性もあった」とする一方、市の個人情報保護条例に違反すると判断し、処分を取り消した。また、最初の提訴を理由とした配置転換も取り消し、市に110万円の賠償を命じた。 入れ墨調査をめぐっては市が回答を拒んだ安田さんを含む6人を戒告処分とし、4人が市人事委員会に不服を申し立てている。残る1人は同地裁で係争中。 原告側は訴訟で、調査について「憲法が保障するプライバシー権を侵害している」と主張したが、中垣内裁判長は「調査の必要性はあり、目的も正当だった」と違憲性を否定。ただ、社会的差別の原因となる恐れがある個人情報の収集を原則的に禁じた市個人情報保護条例には違反すると指