中北浩爾・一橋大教授「政党にとって宗教団体と接点を持つメリットは、選挙の際の票とマンパワーだ。宗教団体にとっては重視する目標の実現や組織を守る上で利点がある。今回は政治と『反社会的集団』との関係と見るべきだ。旧統一教会は人の幸福を築くと言いながら壊している。かつて著名人の合同結婚式などで耳目を引いたが、その後は追及しきれなかった。社会的に問題がある団体とは距離を置くというのが本質だ。自民党は良かれ悪しかれ『実利的』だからこのような団体とも協力してしまうのだろう。だからこそ『政治的な原理主義』に陥らず、安倍晋三政権下で慰安婦問題をめぐる日韓合意という難題も実現できた側面はある。一方、世間の反社的な行為に対する視線は厳しくなってきている。旧統一教会は自民、特に安倍派(清和政策研究会)を中心に付き合ってきた。このことで自民が傷つくのはもったいない」