布をとめるために使用される「安全ピン」を使い、痴漢から身を守る行為の是非をめぐる議論が、ネット上で熱を帯びている。痴漢を許さないとして支持や共感が広がったが、「冤罪(えんざい)だったらどうする」との指摘も。安全ピンによる反撃は傷害罪などに該当する可能性があり、反撃した側を守る目的の弁護団も結成された。一方、痴漢の被害者からは「未然に被害を防ぐ対策が重要では」との声が上がる。(矢田幸己) ■痴漢だったら正当防衛? 《無理に声出さなくてもいいんだよ。次痴漢が出たらそれで刺しな》(原文ママ)。5月中旬、ツイッター上に投稿された漫画の一コマ。中学生のころ、電車内で初めて痴漢被害に遭ったという女性が、保健室の先生から安全ピンを手渡されたエピソードを紹介した。 反響は大きく、リツイート(転載)で一気に拡散。「抑止力になる」「マストアイテムだ」と多くの賛意を得たが、「(刺されて)逆上する人もいる」などと