米国の前トランプ政権のポンペオ国務長官は同政権最後の日、1月19日に「中国政府が新彊ウイグル自治区でイスラム系少数民族であるウイグル族に対しジェノサイド(民族殲滅)を行っている」との声明を発表した。バイデン新政権の国務長官に指名されていたブリンケン氏も同日の米上院外交委員会の公聴会でそれに同意を表明した。 2月22日にはカナダ下院も「中国がジェノサイドを行っている」とする決議案を採択し、政府にこれを公式見解とするよう要求した。 日本政府は1月20日の記者会見で加藤官房長官が「人権問題に懸念し注視している」と慎重な回答をし、外務省は「ジェノサイド」とは認めない姿勢を示している。 新彊は古代中国で「西域」と称され、紀元前の漢や唐の時代から断続的な中国の支配下にあった。1775年に清の乾隆帝がモンゴル人のジュンガル部族を駆逐して西域を完全に平定し新彊(新領域)と名付け、1884年に新彊省となった