「30~40回たたかれた」「口から血を流して帰宅した」…。バスケットボール部顧問の体罰を苦に、17歳の男子高校生が、みずから命を絶ったといわれる今回の問題。大阪市立桜宮高校での体罰の実態が明らかになるにつれ、そのひどさに胸が締めつけられます。 体罰や暴力的な指導は、依然として日本の部活動やスポーツ界が抱える深刻な問題です。 “氷山の一角” 文部科学省によると、体罰を理由に処分を受けた教職員はここ10年ほど年間400人前後で推移しています。2011年は404人で、うち3割ほどの110人が部活動に関するものでした。しかし、これは氷山の一角にすぎません。 取材でもこんな場面を目にしたことがありました。高校柔道の全国大会で、ある強豪校の顧問が、試合に敗れた後、選手を革靴でけりあげ、会場のすみにチームを集めました。すると、ある選手を集中的に殴り始め、その生徒はひざからがっくりと崩れ落ちました。それで