若い世代に北朝鮮による拉致事件への理解を深めてもらおうと、拉致被害者、横田めぐみさん=拉致当時(13)=の両親が18日、川崎市多摩区の明治大学生田キャンパスで、学生を対象に講演した。事件を知らない若者も増えた。風化を恐れる被害者家族や支援者は若年層の啓発に力を入れ始めている。 「すべての被害者を助けるため、みなさんが関心を持ち続けることが必要です」。講演で、めぐみさんの父、滋さん(79)は世論の必要性を訴えた。 終了後には、学生食堂で、滋さんと母、早紀江さん(76)を囲んでの食事会が開かれた。「拉致されたのは日本人だけですか」と問われた早紀江さんは「全部で12カ国。一緒に集会を開いたりして協力しています」と答えた。 参加した理工学部4年の山坂旭成さん(22)は「講演を聴き、家族の苦しさを知った。家族も高齢になっているので、若い人が動かなくてはいけないと思った」と話す。