ジョンソン英首相は10月末までの欧州連合(EU)離脱を必ず実現すると断言してきたが、与党の保守党は下院で過半数を持っておらず、EUと合意した離脱協定案が議会を通る可能性はなかった。ジョンソン氏には総選挙しか打開策がなかったのが実情だ。 総選挙でジョンソン氏率いる保守党はEU離脱を求めた2016年の国民投票の「民意を実現する政党」と訴え、労働党を「民意を妨害する政党」と批判していくだろう。 世論調査で保守党支持率は労働党を上回っており、ジョンソン氏にとっては過半数を獲得することができるかもしれない状況だ。ただ、EU離脱を問う国民投票のような総選挙が行われることは、英議会が賢明な意思決定をできなくなっていることを示している。 ジョンソン氏は、首相の議会解散権行使を制限する「議会任期固定法」に沿って提案した解散・総選挙が否決されたため、選挙を行う異なる法案を出して可決を得た。ジョンソン政権は議会