〈本誌は以前から「命か経済か」ではなく、経済もまた命に直結するのだ、と訴えてきた。新型コロナウイルスに対するゼロリスクをめざせば、その分ほかのリスクが上昇する〉 『週刊新潮』(5月21日夏端月増大号)の特集の中で自画自賛しているが、たしかに『新潮』は比較的早い時期からこの点を衝(つ)いてきていた。慧眼(けいがん)というべきだろう。こういう大人の視点が『新潮』の真骨頂だ。 で、今週のトップは「『安倍総理』は責任逃れ! 『尾身茂・専門家会議』に『社会の命運』を丸投げされた日本の悲喜劇」。 精神科医の和田秀樹氏はこう言う。 〈「専門家会議や政府、それにマスコミも、グループシンク(集団浅慮)の状態に陥り、ほかの意見を受け入れなくなっています。アメリカの社会心理学者、アーヴィング・ジャニスによれば、そうなると現在選んでいる選択肢の危険性を検討しなくなってしまう。また集団免疫の獲得など、いちど否定され