週末、家族と月岡温泉に行った。宿は3年前の12月、拉致被害者5人が帰国して2か月ぶりに集まり、支援者らと1泊した旅館。予約した際、一つだけ空いていた部屋は、奇しくも当時、横田滋さん、早紀江さん夫妻が泊まった和室だった。 5人はここへ来る直前、新潟市内のホテルで、北朝鮮バッジを外して会見に臨み「永住帰国」を表明した。館内に飾られた一行の記念写真を見ると、さすがに蓮池さん夫妻らの表情は晴れ晴れしい。 片や、北朝鮮から娘のめぐみさんの「死亡」を通告されて間もなかった横田夫妻。凛(りん)としたその姿は悲しみよりも、世論で国を突き動かした自信と誇りに満ちているように見えた。 その救出運動が、最近なぜか元気がない。「救う会新潟」(馬場吉衛会長)が総会で明らかにした資料によると、5人の帰国後、昨年6月までに寄せられたカンパは約2900万円に上るが、多くが使途不明になっている。あぜんとしたのは、関係者が「