JR東日本の山手線は不思議な路線である。莫大な旅客運輸収入を計上し、営業利益も相当あることは間違いないにもかかわらず、表面的には割合つつましやかな路線、言い換えれば「ケチくさい」路線であるからだ。 同社によると、山手線の正式な区間である品川-新宿-田端間20.6kmで2014年度に得られた旅客運輸収入は1053億5100万円であったという。1km当たりの旅客運輸収入を求めると51億1412万6000円となり、同年度に1兆0696億円の旅客運輸収入を上げた東海道新幹線の1km当たり19億3557万7000円をも上回る高収益路線であると言える。 山手線が表面的にはつつましやかな路線に見えるのは、電車に乗って一周すればすぐにわかる。完成時期が古いのでやむを得ないかもしれないが、それにしても各駅のプラットホームは狭くて暗い。ラッシュ時以外であっても、電車が到着するたびに階段やエスカレーターには人が