ギリシャからイタリアへ、欧州の債務危機が深刻な状況に陥っている。 ドイツのメルケル首相が10月4日に、金融機関への資本注入策を示唆して以来、市場では欧州危機解決に向けた楽観論が広がっていた。一時は株価も上昇して、リスク回避先であるドイツ国債利回りも上昇基調となった。10月27日のユーロ圏首脳会合が包括的対応策を発表すると、株価はさらに上昇した。 しかし、ギリシャのパパンドレウ首相が突如、第2次支援受け入れの是非を国民投票にかけると表明してから、市場は再び大混乱に陥った。本稿執筆時点(11月8日)では、首相の退陣と引き替えに、与野党が挙国一致内閣を樹立し、緊縮政策と構造改革など支援条件を受け入れることで、ギリシャが債務不履行(デフォルト)に陥る事態は回避される見通しとなった。 イタリアに飛び火しユーロが存亡の危機に だが、ギリシャ危機はイタリアに飛び火し、さらに重大な局面を迎えている。8月に
