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ブックマーク / blog.szk.cc (9)

  • 選挙の後こそ、民主主義が問われる

    選挙が終わった。というよりは新しい体制での政治が始まるという方が正しいのだけど、ともあれその結果を見て、予想通りだという人もあれば、意外だという人もあるだろう。特に第三極の政策や政権公約に興味があった人の中には、結局のところ自民党大勝という結果に失望した人も多いのかもしれない。みんな党の名前しか見てないんじゃないか、と。 ところで、それよりも気になっていたのは、選挙直前になってネットのあちこちからあがった「選挙に行こう」の声だった。それ自体はとても大事なことだし、勢い余って「選挙に行かない人に政治に口を出す権利はない」とか「選挙に行かない男と付き合うな」なんて話が飛び出すのもまあ仕方ない(どちらも間違った意見だと僕は思うけど)。ただ若年層に関して言えば、近年むしろ政治への関心は高まっているし、昨今の調査ではネットを熱心に見ているのはむしろ30代から40代らしいので、どこまで的に当っているの

    came8244
    came8244 2012/12/17
  • 時間は有限だが可能性は無限だ

    35歳になった。統計上は「若者」の定義から外れる年齢ということになろうか。正直なところ若いか若くないかという感覚そのものが鈍っているので、そういわれてもあまり感慨はない。一応、今年で物書きとしてお金をいただくようになってから、つまりデビューしてから10年ということになるのだけど、歴史というか社会的な風潮の目安としてのディケイドと、自分の人生の中の10年というのは同じ物差しでは測れないわけで、こっちも「へえ」くらいの感想だったりはする。 35歳問題、という奴にも直面しそうな気配はない。自分の人生を振り返れば、なれたはずの自分、失わなくてもよかったはずの関係、今なら選ばないはずの大事な選択は、山ほど数え上げられる。けれど、もうここに至るまで何度も何度も後悔して懺悔して諦めて開き直ってまた後悔してを繰り返してきた僕にとって、「取り返しのつかないこと」が持つ重みなんて、いまさら突然増えるはずがない

    時間は有限だが可能性は無限だ
    came8244
    came8244 2011/04/18
  • 資源の有限性と共同体

    誰かの人生を支えるために自分の人生を犠牲にすることを、美しいと思う人もいるけれど、自分がやれと言われたらいやがる人が大半なんじゃないかと思う。そこに愛があればいいとか思っていても、いつまでたっても成功しないバンドマンをわせてる彼女さんというありふれた構図にすら、僕らはちょっとした抵抗を感じる。なぜだろう。おそらくそれは、彼女さんに、彼をわせることをやめたり、他の男を選んだりする自由意志があるはずだという、言い換えれば、彼女さんにも他の人生があるはずだという僕らの思いに由来する感情だ。 しかしまあ、実際にそういう人に接してみると、よく言えば健気、少し悪く言えば好きでやってるんじゃん、という人が多い。だから、心配しないで、なんてことも言う。そういう人たちの中には、自分の能力に限界を感じている人が少なからずいて、自分はいいから、誰かの夢を叶えることが自分の夢だなんて思っていたりもする。 こう

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    came8244 2010/07/29
  • 教科書を読もう

    こないだの放送で説明しようと思っててできなかった話に、「教科書」の話題があったことを思い出したので書き付けておきたい。多くの大学生にとって、講義を受けるに当たっての教科書のコストというのは割と半端なくて、例えば甲南大学では平均すると3万円から4万円の教科書代がかかるのだという。このコストは事前に明示されることは(特に文系の場合)ほとんどなく、いざ講義を受けようと思ったところで示される場合が多い。保護者の経済状況の変化から学費を払えずに中退する学生が増えているという話は注目されても、カネがなくて教科書を買えないという話は、学生の怠慢扱いされてしまうので、あまり取り上げられることがない。 そもそも教科書代が高いのはなぜか。そこには構造的な問題があって、まず指摘しておかなければならないのは、教材の開発、つまり教科書を書くことが、研究者の業績の一部として認められているということ。教科書執筆は、研究

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    came8244 2010/07/28
  • 自由であれ、と看守は言った

    「schola 坂龍一 音楽の学校」がすごく面白い。もともとはcommonsmart内で公開されているプログラムのようなのだけど、中高生(小学生も!)を「生徒」として迎え、ゲストらとの鼎談やセッションも加わる豪華な構成。10数年前、「Love Love あいしてる」が始まった頃、日のポップスを支えたミュージシャンたちをバックバンドに従えたKinki Kidsがめきめきと上達していくのを見ながら「きーっ」とか思ってた人は多かったろうけれど、それを凌ぐ贅沢さだ。 内容も、幅の広さがウリのcommonsmart版とは違い、バッハの平均律から和音、コードとその思想的背景をめぐり、ジャズ編では複雑化するビバップのコードからモード奏法、そしてフリージャズへ、という、ザ・教科書通りの展開。こうした一連の流れを、中学に上がる頃には父に聞かされていた僕にとっては、懐かしい気持ちもあり、あるいはもう少しウ

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    came8244 2010/05/31
  • 共通善は希望たりうるか

    最近、講義を含めいろんな場面で政治社会や民主主義について考える機会が増えて、どうしたものかと思っていた折に出版された、宇野重規『〈私〉時代のデモクラシー』を週末に読んだ。冒頭から面白いのは、「このは、〈私〉という視点からデモクラシーを考えるです」と書いてあるのだが、その〈私〉に「わたし」とルビが振られていることだ。もちろん、「私」は「わたくし」と読むのだ、などと国語の先生みたいな突っ込みをしたいわけではない。そこに、こののテーマが端的に表れているのだ。それはすなわち、公的な場面で自分を語る一人称としての「わたくし」ではなく、私的な一人称としての「わたし」が、「私」の内実になっており、それがデモクラシーの前提になっているのが、〈私〉時代なのだ、ということだ。 書の前半は、なぜその〈私〉感覚が広がり、問題を生んでいるのかが論じられる。ここで著者は、社会学者が「個人化 Individua

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    came8244 2010/05/11
  • ギャル演歌の世界へようこそ

    学生たちと話していると、「ギャル」と呼ばれることに抵抗感を示す子が多いことに気づく。この数年で急速に「ギャル=イタイ子扱い」が進行したけれど、彼女たちの反応は、ファッションとしてのギャルに対する忌避感だけでなく、ファッションやコミュニケーションスタイルは、かつてであればギャル扱いだった子でも、「あんなイタイ子とは違う」という形で否定する。いわばギャルはギャル的なものの極北の部分だけを指すマイナージャンルに落ち着いたというわけだ。 その話は別に題じゃなくて、その「イタさ」みたいなものを直接的に感じた出来事の話。個人的にはあちゃーと思ったKyleeの日語デビューシングル「キミがいるから」にまつわるあれやこれやのことだ。 先に断っておくと、カップリング曲はこれまでのNature Livingが担当していた路線を継承した「On My Own」、Evanescenceを思わせるミドルチューン「S

    ギャル演歌の世界へようこそ
    came8244
    came8244 2010/04/15
  • 大学には入ったけれど

    今日は勤務先の入学式。毎年のこととはいえ、春先のキャンパスの浮かれた感じは独特のものがあって、年々垢抜けていく新入生も、このときばかりは戸惑いの表情を見せながらサークル勧誘のチラシを受け取っている。ほほえましい光景なのだけれど、その一方で、すでに道に迷っているというか、大学に入って何をすればいいのか分からなくなっているんじゃないかと思える子もいる。せっかくなので、大学で何をすればいいのか、少し書いてみようと思う。 1. 友達なんかいなくてもいい いま、若い世代の間では、コミュニケーションが生活の中心になりつつある。その理由はいくつもあるのだけど、ともあれ周囲とつながりを維持できなかったり、そもそも誘われなかったりすると、生きていくのに大変不便だ、という強迫観念を持っている人が、それなりの割合で存在している。 でも一方で、大学というところは、基的には個人で履修プログラムを決め、個人に成績が

    大学には入ったけれど
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    came8244 2010/04/05
  • 「真面目な人が報われない」

    どう論じたものか悩みながら、『東のエデン 劇場版II Paradise Lost』を見てきた。友人の手配で監督挨拶の回に行ったら、最前列のど真ん中というポジションで、監督が文字通り目の前。さすがに恥ずかしくて(何でだ)顔を上げられずにいたので、監督が僕に気づいていたとは思えないけど、もっそい怪しまれてたろうなと思う。神山さんごめんなさい。以下ネタバレ込みの感想。 劇場版Iを見たときからだいたい気づいていたけど、作の主題は、東のエデンのシステムや、それを駆使した「ニート」たちの集合的な力ではなく、それを利用する「王様」としての滝沢と、それに対抗する物部との政治観の違いへとシフトしている。両者の違いはいくつもあるが、それはたとえば、強い動機付けを持たない滝沢に対して、意志を持ったリーダーの必要性を認識している物部、といったところにも見られるが、より質的なのは、性善説を採り、みんなで生き残る

    「真面目な人が報われない」
    came8244
    came8244 2010/03/25
    A´死ねよ
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