副題にはこうある。 「結婚初年度の『幸福』の値段は2500万円!?」 行動経済学の理論を駆使して、そんな結果を導き出したのは、著者のナッターヴート(ニック)・ポータヴィー。タイ出身の経済学者でシンガポール南洋理工大助教授だ。 彼は幸福経済学の第一人者として知られる。幸福の価値を見積もる方法についての最先端の研究で、さまざまな話題を振りまいてきた。 「子どもを持つと、不幸になる」 と論じたときは、大きな論争を巻き起こした。そんなポータヴィーの主著がこのほど翻訳された。 それが「幸福の計算式(阪急コミュニケーションズ刊)」だ。 経済評論家の山崎元氏や作家の橘玲氏ら、多くの識者によって高く評価されている。 幸福とは何か。とりわけ、それは金銭とどんな関係があるのか。本書が追究するテーマである。 だれもが真っ先に思うのは、この問題だろう。 「おカネは人を幸せにするか」 そして多くの人が、おおむね、そ