『大吉原展』の動向を受けて今月3月26日に会期が迫る美術展『大吉原展』(以下、本展)の論争が続いている、と書きたいところだが、少なくともSNS上ではすっかり沈静化の兆しを見せている。 2月9日、私はアートメディア『Tokyo Art Beat』へ寄稿した。本展会期前であることから、まずは従来の公共施設が遊廓をはじめとする性売買の歴史や文化をどのように展示してきたのかについて、近年の動向を中心に紹介した。 本稿では、本展の論争に関連した動画を視聴した私の感想と、本展に向けた批判が無効化されている現状を検討する。後者については、いまだ私の考えは定まっていない。書くことで答えに近づこうとする試みだが、浅学の誹りを恐れず書いてみたい。 瀧波ユカリ氏と和田和子氏の動画を観て2月15日、本展のありかたを批判して議論の起点をつくった瀧波ユカリ氏(漫画家)と、福田和子氏(SRHRアクティビスト)がYouT