「わからないこと、わかっていないことは、安易に想像で語らず、わからないということが大切」と後藤は語る 関東大震災から今年で100年。それはこの震災直後に起きた朝鮮人・中国人虐殺からの一世紀でもある。そしてこの度、反ヘイト、反差別をテーマにした書籍を刊行し続けて来た出版社ころからが10年越しで企画、編集してきた本が世に出た。 『それは丘の上から始まった 1923年 横浜の朝鮮人・中国人虐殺』。 著者は横浜市で公立中学校の社会科教師を約40年に渡って勤めあげた後藤周(ごとうあまね)。後藤は横浜で起きた当時の虐殺事件を長年に渡って調査し、これまで詳細が明らかにされていなかった同地域の真実にスポットを当てた。どのようなプロセスで発刊に至ったのか、その経緯から聞いた。 ■「この丘から、『朝鮮人暴動』という強烈な流言が量産された」「2014年の3月に刊行された加藤直樹さんの『九月、東京の路上で 192